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山本夏彦さんはこんなことを23-「百年分を一時間で」山本夏彦 文春新書  2000年 ④ [読書記録 一般]

「文字は言葉の影法師だ」
耳で聞いて分からない文は文ではない






今回は、5月24日に続いて、わたしの要約ノートから、
キーワード「山本夏彦さんはこんなことを」23回目の紹介、
紹介する本は変わりまして、山本夏彦さんの「百年分を一時間で」④です。




出版社の案内には、

「コラムは三十枚の内容を十枚に、十枚を三枚に、削りに削るから、用は足りるが語気が
 荒くなる、恐ろしい人だと思われるのは残念だと前回「誰か『戦前』を知らないか」で
 は爆笑裡に戦前を彷彿とさせようと試みた。本書はその続きである。私有財産は盗みで
 ある、奪って公平に分配するのは正義であると、この百年私たちを支配した社会主義の
 消長を語って1時間ですませている。 」

とあります。




今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「税制はモラルを滅ぼした
   → 何でも会社持ちにした」


・「昔は家の中に他人がいた」
- わたしの子供時代、我が家にも遠い親戚の方が居ました。


・「今の貧乏は金銭の有無から始まる 金銭教育がない
人間は隣人と比べなければ仕合わせになれない」


・「知恵ある者は知恵で滅びる」





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☆山本夏彦さんはこんなことを23-「百年分を一時間で」山本夏彦 文春新書  2000年 ④

1.jpg

◇長屋百年
  
 同潤会の名前も知らない 
   同潤会アパート
  


 長屋
  上・中・下 総後架(共同便所)
  


 最小限住宅が理想になる 
   昭和25年池辺陽「立体最小限住宅」当時の理想に
  


 人は時間と空間をなくそうとして半ば成功した
 
        ↑

      ただ悪知恵だけで今日まで       
  


 紙一重でぶつからない
   マンションの扉 → 屈折がないものは

   みんな平等は不自然     






◇PR

 PR パブリック・リレーションズ



 電通PRセンター
 「戦略十訓」 
   ①もっと使わせろ 

   ②捨てさせろ 

   ③無駄遣いさせろ 

   ④季節を忘れさせろ 

   ⑤贈り物をさせろ

   ⑥流行遅れにさせろ
         等々
    


 税制はモラルを滅ぼした
   → 何でも会社持ちにした
 


 次第に近づく記事と広告 
   ジャーナリストのセンスの有無






◇文士 

 漱石は印税3割とった 
   明治時代には文章家も



「文字は言葉の影法師だ」
耳で聞いて分からない文は文ではない



 ただの一円でインテリになる






◇貧乏

 東孝光 
 「昔は家の中に他人がいた」
女中がいた 口減らしにただでいいから置いてくれと頼まれる
他に身寄りのない親戚の老人などがいた



 貧乏人ぶる人多し
衣食は足りたけど,住だけは貧民のまま



戦後,官に任せたのがいけなかった
     


 我々は貧乏なのですが貧乏がどういうものか忘れてしまった 



今の貧乏は金銭の有無から始まる 金銭教育がない
人間は隣人と比べなければ仕合わせになれない



 女の子が生まれると喜ぶ親がいた
  貧のために身売りする女は絶無になった = 今の貧乏は昔の貧乏とは違う







◇電話

 ITは産業革命以上の革命
  ファクスができて一社でのべ何百時間が節約できるようになった



   日本中なら何千時間が限りなくゼロに近くなった  

  ↑↓
 それだけ余暇が増えたか?給金が上がったか?
    ただ忙しくなっただけだ 



 インターネットは魔物だ
   広く深く政治経済倫理を根本から揺るがす
      

 
IT革命(アメリカ人)
  知恵ある者は知恵で滅びる  


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(1)キーワード「国語」⑧  (2)「西行さん」鈴木 実 <「新津村の地名伝説三影」 『土のいろ』(昭和初期浜松の郷土誌)より>【再掲載】 [読書記録 教育]

今回は、5月22日に続いて、読書ノートより
キーワード「国語」の紹介 8回目です。 


今回は、岩下修さんの国語物語文基本発問の紹介です。


現在の国語の授業とは大きく違います。
時代を感じます。



もう一つ、再掲載となりますが、郷土誌『土のいろ』より、
鈴木実さんの「西行さん」を紹介します。
わたしの地域の伝説ですが、大人になってから知りました。 
昭和初期の文章ですが、地域の人の語り口を懐かしく思い出しました。






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(1)キーワード「国語」⑧




◇国語物語文基本発問 岩下修

「良い話し合いのできる問題づくり」
 
Ⅰ 設定

 ① 時は?


 ② 場所は?


 ③ 登場人物は?


 ④ 主人公は誰か?
 



Ⅱ イメージ喚起-形象化 (本を見ないで)

 ⑤ 話の中に出てきたもの?

 ⑥ 話の中に出てきた色?

 ⑦ その色は何色?

 ⑧ どんな音が聞こえた?
 




Ⅲ 対比・類似により形象化

 ⑨ 対比されている言葉?

 ⑩ その言葉の対比の意味は?

 ⑪ 類比されている言葉は?

 ⑫ 類比の意味は?
 




Ⅳ 話者の検討により形象化する

 ⑬ 何人称の視点で書かれていますか?
 




Ⅴ 人物の心情の理解を促す

 ⑭ 登場人物の目に見えたモノ(物,人,色,場所)は?

 ⑮ 登場人物の耳に聞こえたモノ(音,声)は?

 ⑯ 登場人物の心が一番動いたところは?

 ⑰ 登場人物の心が一番変わったところは?
 




Ⅵ 構造の理解を促す

 ⑱ 二つに区切るとしたらどこか?

 ⑲ 物語のクライマックスはどこか?
 




Ⅶ 主題を検討させる

 ⑳ この話に長い題(15~20字)を付けるとどんな題がよいか?
 




<自学>

発問A (この教材の場合)どんな問題なら良い話し合いになるでしょうか


発問B この中でちょっと良い話し合いになりそうもないと思うものを言ってください 










(2)「西行さん」鈴木 実 <「新津村の地名伝説三影」 『土のいろ』(昭和初期浜松の郷土誌)より>【再掲載】


 浜名郡新津村倉松に90近くのおばあさんがある。そのおばあさんの話によると,


「ちんちんしゃららと一条の杖をついて日本国中を歩きまはって」,

 うたがたいへんうまかった


 西行さんは,この倉松に生(ま)れたのだと言ってゐた。



「今から凡そ70年前に,倉松字まつり川に西行さんの墓の跡があって,其処には松が一
 本たってゐた。跡といふのは田の中の周囲5,6間ぐらいの島で,おしめがはってあっ
 た。西行さんは大へんうたがうまかったげな。それでこの倉松に来て死んで,ここに埋
 けたと言ふことだ。」


 それから又,そのおばあさんは,まつり川についても説明して呉れた。


「もとは松振川,松振川といったさうで,或時,大へんお天気のよい時に何処からともの
 う,一羽の大きな鶴がまって来て,西行さんのお墓のそばで,小さな松を振り振り,何
 処に落(と)さうかと思ってゐたが,たうたうお墓のすぐそばに落(と)して,又どっ
 かにまって行ってしまった。つるが松を振って来たから松振り川と言ふのださうだ。そ
 の松も,わしらが少しは知ってゐるが,大きな松ではなかった。『松ふり』の『ふ』を
 ぬかしてしまって,今では『松り』『祭(り)』といって,お祭りの様な名になってし
 まった。今はもうその松もなく,みんな田んぼになってしまった。」


と,おばあさんは話してくれた。そこで私は聞いてみた。


「それなら生(ま)れたのはどこですか。」


「こんなうたがありますよ。西行の生(ま)れ故郷は堤村、身のなれのはては松振川ばた」


「新津村の堤ですか。」  


「さういうことですよ。」  


「どの辺りか知って居ますか。」


「その歌だけで他は何も知りませんよ。」


「…さんはいろいろの学問のことを知ってゐなさるから,西行さんのことを教えておくん
 なさい。」


と歯のない口をもぐもぐさせた。

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