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「大人のための修学旅行 奈良の歴史」武光誠 河出書房新社 2002年 ⑥ /『オレ様化する子どもたち』諏訪 哲二 中央公論新社 2005年 ③ 【再掲載 2018.6】 [読書記録 一般]

今回は、6月2日に続いて武光誠さんの
「大人のための修学旅行 奈良の歴史」の紹介 6回目です。




出版社の紹介には

「学生時代に奈良を訪れたが、日本史の流れをしっかりふまえて旅することが
 できたら……大和朝廷から天平文化まで、この国の成り立ちが名所旧跡を通
 して理解できる『読む修学旅行』の本。」
 
とあります。



今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「長屋王の変(729)が白鳳と天平の境」


・「大兄皇子が留学生・留学僧を登用し、日本文化はめざましく進展した」


・「大王の有力な后が蘇我氏から多く出され、蘇我氏の血を引く大王が相次ぐ」


・「飛鳥文化、白鳳文化は蘇我文化とも言える。東漢氏のふるさとである朝鮮
南端部(加耶)や東漢氏と親しかった百済の要素を多くもつ完全に中国化
しきっていない大陸風文化である」



もう一つ、再掲載になりますが、諏訪哲二さんの
「オレ様化する子どもたち」③を載せます。
- ここに論理はない 
- もはや教育とは言えない、救済である
学校現場がいつのまにか歪みの救済の場所になってしまっているようです。
学校は教育の場から社会福祉の場 へと向かっているのではないかと感じます。



<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
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☆「大人のための修学旅行 奈良の歴史」武光誠 河出書房新社 2002年 ⑥

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◇大化の改新がもたらした白鳳文化の幕開け(1)

□中大兄皇子による大化の改新
繰り返される政争の意味
3期 ① 天智独裁時代 645~672
② 天武・持統と後継者による中央集権完成時代 672~710
③ 平城遷都・整備期 710~729
◎長屋王の変(729)が白鳳と天平の境

   敵対者をことごとく葬る中大兄皇子
大化の改新  
        王家が蘇我氏に国政を委任する形を改め、王家自身の手で朝
       廷を動かすという宣言
中大兄皇子  
        叔父の孝徳天皇を立てて自分は大兄(皇太子)という自由な
       立場で政治改革

   古人大兄皇子(645) 蘇我石川麻呂(650) 次々と討つ

   654年   
     孝徳天皇との対立
天皇を難波に残して飛鳥に移った
→ 母・斉明天皇が女帝に

   663年   
     白村江で大敗 
朝鮮での日本の地位の低下

   大津京に移り  
     天智天皇
→ 専権に対する豪族の不満
中臣鎌足の死後、大海人皇子との対立

   中国化が進む日本文化
中大兄皇子が留学生・留学僧を登用 
      → ◎ 広く中国の学問
◎ 日本文化はめざましく進展
 


□蘇我氏の根拠地の渡来文化
大和の辺地だった飛鳥

   渡来文化の先進地 
     大和三山 
        飛鳥南部に渡来系
→ 河内とつながっている 
          河内飛鳥にも渡来人有力集団
~ 大陸との交流

   蘇我氏の勢力圏
蘇我氏
      ~  もとは飛鳥西方の葛城(今の御所市周辺)を勢力圏とする
        葛城氏の一氏族
 →  6世紀初飛鳥の渡来系の集団を支配下に治めたことにより
        急成長
※朝廷の財政担当 東漢(やまとのあや)氏、秦氏、西文(かわちのふ
み)氏を指揮
→  大王の有力な后が蘇我氏から多く出された
         ◎ 蘇我氏の血を引く大王が相次ぐ 

   「飛鳥」「白鳳」文化 = 蘇我文化
東漢氏のふるさとである朝鮮南端部(加耶)や東漢氏と親しかっ
     た百済の要素を多くもつ完全に中国化しきっていない大陸風文化


□推古天皇の墓はなぜ小型なのか [植山古墳]
見瀬丸山古墳と植山古墳
見瀬丸山古墳 - 欽明天皇か
植山古墳   - 欽明天皇の娘 推古天皇

   2つの石室を持つ古墳
植山古墳 東西40m×南北27m 小型方墳
東石室 3m×6.5m 6世紀末 推古天皇
西石室 2.5m×5m 7世紀前 竹田皇子

   改葬された推古天皇
欽明天皇 
       ① 推古天皇 温和   竹田皇子-尾張皇子 弱体化
② 広姫(敏達天皇の后)舒明天皇-中大兄皇子 
舒明系の王族が互いにぶつかり合う







☆『オレ様化する子どもたち』諏訪 哲二 中央公論新社 2005年 ③ 【再掲載 2018.6】

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◇教育論者の子ども観を検証する
 
(8)宮台真司
   -「社会の学校化」か「学校の社会化」か

   すべての知識人は共同体主義者?
  宮台
      - 「共同体的システム」悪者論
共同体的学校観と市民社会的学校観

   郊外化の評価

   学校化社会を巡って
   「学校が家や地域(住民)の社会的(経済的)欲望の『出店』になったの
      である」
    = 学校が伝統的に持つ独自の権威や輝きを失って,市民社会的欲望
     の○○の存在になってしまった

自我と自我のデスマッチ 「象徴的な父」の役割
  「あるべき自己」と「現実の自己」との併存


(9)和田秀樹
   - 学力低下論の落とし穴

   「子どもはすばらしい」論の欺瞞

   市場原理の中の子ども
  和田秀樹 = 必要なのは「市場原理」「競争原理」論
(贈与論でなく商品交換論)

   学校が変われば解決するのか?
    ◎子ども(ひと)は知識を注入できる容れ物ではない
    = 子どもは自ら学ぼうとしなければどんなにたくさん授業を受
       けても学べない


(10)上野千鶴子 
   - 偏差値身分制と児童虐待

   「偏差値身分制」とは?

   幼児虐待における「自我の物語」

   和田氏と上野氏の共通点
    = ①に重点
      学校とは ①知識を学ぶ場 であり ②人間として成長する場

   ※教師  
     ◎ 不定型で不確定で不安定な子どもたちを毎日相手にしている。
   ◎ 授業だけに集中できたらどんなに幸せか,どんなに楽か。
    → 授業を成立させるためには日常生活全般における指導が必要に
      なる

   子どもはラーニング・マシーンではない!
     第一段階(家庭)  
       現実・非現実の境界が発生し,自我が形成され始める
第二段階(地域) 
       ゲームや遊びなどにより集団性やルール,リーダーシップなど
      を学ぶ。子どもの自我は相対化される。
第三段階(学校)  
       直接的な生活性から離脱して個人を超える「知」や,世界と出
      合う。ここで自立的な個人(市民)の基礎(土台)がつくられる。
     → こういった自己形成のプロセスをみんながクリアして学校に
      来るのでは ない。また,知力の差もある。 <学ぶ以前の困難>


(11)尾木直樹
   - 学校告発はなぜ不毛なのか

   悪いのは学校なのか 
尾木 = 「現在の学校は根本的に悪い」論

   子どもをアンタッチャブルにする危険性
     
   子どもたちの「新しい発達」をどう解釈するか 

   不登校の論じ方

   ユートピアからの批判 
     ユートピアから討論するのは反則・無効


(12)村上龍 
   - 「13歳のハローワーク」とゆとり教育
     
   キーワードは好奇心  

   教育改革の類似点
    - 社会化と個性化
     
   村上少年の成功を普遍化できるか? 

   子どもは一個の世界である

   自己を限定するということ

◎ 教師は子どもの『自我』」と同じ平面に立つ(等価交換する)のでは
    なく、超越的な『贈与』の教育的位置に立つべきである。


(13)水谷修
   - 夜回り先生は「教師」ではない

   薬物依存,性的虐待
     
   水谷氏 
    - 根源的な孤独
      昼間の市民社会から物理的に排除された子ども

   無償の贈与
     水谷氏 - 「共感」「市民的価値」の保護

神に近い絶対的に無限の贈与に近い位置

   <昨日までのことはみんないいんだよ><よし,また一からやり直そう>

  ◎ここに論理はない 
     ◎もはや教育とは言えない = 救済である

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