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キーワード 読書について32-「昔話の森」野村純一 大修館書店 1998年 (1) /「なつかしい話」宮本常一 河出書房新社 2007年 ①(前半)【再掲載 2014.9】 [読書記録 一般]

今回は、5月27日に続いて、キーワード「読書について」の紹介32回目、
野村純一さんの「昔話の森」1回目の紹介です。



出版社の案内には、


「桃太郎の原型である山中の異童子、天竺・震旦・本朝にわたる伝承である鼠
 の嫁入り、本来は幸せを招く行事だった百物語。"はなし"はどのようにして
 生まれ、どう語り継がれてきたのか。昔話の起源を探る。」


とあります。




今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「日本の昔話は夜分に限る。
   『昼むかしは鼠が小便をかける』→にゃごうと猫のまねをする」


・「昔話を聞くには『うん』などの相槌が必要だった」


・「昔話には語りの儀礼があった。昔話の森へはいる為の入信儀礼のようなも
のだ」


・「桃太郎の絵は疱瘡にかかった子供の魔よけとなった」




もう一つ、再掲載になりますが、宮本常一さんの
「なつかしい話」①を載せます。
今、年配者からたくさんのことを聞いておかなければ、
大切なものが途絶えてしまうのではないかと気持ちがあせります。




<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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☆キーワード 読書について32-「昔話の森」野村純一 大修館書店 1998年 (1)

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◇昔話が語るもの  
柳田国男「小さ子」
   ① 神話       
         神々の物語
  ② 民間説話 
         伝説 常民の物語
昔話
世間話

   日本の昔話とは何か?
夜分に限る
       「昼むかしは鼠が小便をかける」
にゃごうと猫のまねをする
「囲炉裏の端」
       ・むかしむかしの話、あったかなかったかは知らねども、あっ
        た風にして聞くがむかし
・むかしのことならあったかねかったか知らねども,ねがった
        こともあったことにして聞いてくれ

◎「うん」 - 相槌が必要 
はれや,げんげい,さすけん,おう,おっとう,
さそ,さあれ

      相槌 
       「イイ本当に」
       「ほんとだがあ」
「あいやかわいそうになあ」
       「あれあれ憎たらな」
じでのごのは 
        やれやれ

      ・「むかしむかし」
        - 「とっぴんぱらり」
とっひんはらり, どっとはらい
どっとぐれ, いっちご さっけ
そうらい(中日本)
こっぽり(西日本)
こんでしまい


        「かたじけのうござった」
        「ごくろうでやした。おもしろうござった」

   ◎ 語りの儀礼があった 

   ◎ 昔話の森へはいる為の入信儀礼
 


◇「桃太郎」の原型
桃の子太郎登壇
     佐々木繁(喜善)

   地獄へ行った桃太郎
     
   桃太郎の花嫁
     「妻まきの一条」一丁前の桃太郎
 
   もう一人の桃太郎

   山中の異童子 桃太郎  
     昔話の三の原理
      ~ 客人神

   山中怪力の幼童
     金太郎とモチーフを共有

   絵 
    → 疱瘡にかかった子供の魔よけ
 






☆「なつかしい話」宮本常一 河出書房新社 2007年 ①(前半)【再掲載 2014.9】

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◇倭人たちの海  和歌森太郎 1915-1977
  玄海の船人たち 
    海洋民族の移動 
      済州島
       - 筏船 

  倭人の故郷 
    潜水漁労
      - 日本各地に

 「倭」なるものの実体
   - 倭人の入れ墨

  二つの海人集団
    ① 宗像系-住吉神社  
        潜水海女 船梁をもつ船
        - 中国
    ② 海神系 
        もりややす カヌー
        - 南方

  鐘ヶ岬系の海人たち  
    捕鯨
     -「刃刺」潜って突く  
    男は捕鯨,女は海女

  家船(えふね)の風習 
    日本の海上漂泊民 = 家船 
    本拠地:三原市の能地,竹原市

  海人と山人の交流

  山人の海人化 
    日本人の流れ 
      ① 中国沿岸 - 朝鮮 - 西日本
      ② 南方 - 西日本
      ③ 山人の海人化

  網を使う狩猟と漁撈 
    山の文化海の文化

  海の利用と漁撈技術
    「山あて」「山見」の技術

  漁法の変化 
    テグスによる一本釣り
    テグス
     - もともとシナから長崎に送られてくる菜種の包装の紐。透き通
      り弾力有り丈夫な点に目を付け釣りように
    阿波の堂が浦の漁師が 「テグス売り+技術指導」

  漁法の違い
   - 棲み分け

  海洋民族の危機

  構成:水谷慶一 1932~ 歴史ジャーナリスト



◇中世雑談(ぞうだん) 村井康彦 1930~ 守屋毅 1943-1991
  祥鳳雑談

  記録と伝承
    一座連立 
    座を組む
     - 会所の発生

  常民の一座連立 
    村堂をめぐって
    村堂に上下なし 
    床の間の起源
 
  書院と草庵

  一味同心 
    共同飲食の儀礼,宴の興趣,日々のお茶,
  
  一期一会 
    世間の雑談,労働と時間の接点



◇民衆のエネルギーを追求する 神島二郎 1918-1998 
  古老はもういない
    - 口承伝承に頼るのはもう無理

  中世資料
    ① 庄園資料 
    ② 古書類苑

  飢饉で村が全滅
   - 残された者で原始共産体
      ~ 親方



◇現代民俗学の課題 谷川健一 1921-
  体験の裏打ち 
    発見の学問 
    口承伝承で出てこなかったもの
     - 一人のかかわり

  分類の枠の外 
    社会的制度的な方法による解明

  「対象」をまとめるということ 
     飛び地の問題

  日本の神の祀られ方
    - 床は稲作と結び付いて南から入ってきた

  原始と近代の重層 
    静岡西浦の田楽
     - 原始と近代の重なりだからこそ残ってきた

  「現実の話」として語る昔話  
     世界話と昔話 
      「市がぽんと避けた」

  民話 … 普通名詞的なもの  

  伝説 … 固有名詞



◇文化伝承者としての老人 山崎朋子 1932-
  テープに吹き込む年頭所感 
     テープ録音だと
      「いい話が聞けない」「嘘が入る」 - 話を作るから

  昔も村は老人だらけだった 
    よそ者の墓
      - 無縁の者を守る情
  
  ヨコへの伝承 
    生き生きと一人暮らし 
    親のライフヒストリーを書け!聞く機会を!

  姑に聞く喜び 
    過去も今も同じこと
      = どのように受け継がせる機会を持つか

  伝承すべきものを持たない
    伝承すべき文化をもっている者は寂しいことはない

  利用できる保養施設を!
     文化というのは,こちらから予定して差し出すものではなく,そう
    いうみんなの共通の場の作られる素材が文化ではないのですか

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