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「橋本治の古事記」橋本治 講談社 2001年 ③ /「三日でわかる古典文学」 大橋敦夫・西山秀人 ダイヤモンド社 2000年 ⑦【再掲載 2015.5】 [読書記録 一般]

今回は、12月24日に続いて橋本治さんの
「橋本治の古事記」の紹介 3回目です。



出版社の紹介には


「読みつがれてきた魅力。あなたのそばに古典を。第一線で活躍する作
 家が手がけた古典現代語訳の決定版シリーズ!日本最古の本『古事記』
 が新しくよみがえる。イザナギ、イザナミの国生み、天の岩屋戸、八
 俣の大蛇因幡の白うさぎ……など、だれもが知っているようで知らな
 い日本神話が、いきいきとした現代語で語られる。」

 
とあります。


神々が生まれた様子が記されていることが分かります。
橋本さんの文章ですから大変楽しく読むことができます。







☆「橋本治の古事記」橋本治 講談社 2001年 ③

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4.黄泉の国
 約束を破り黄泉の国の神殿の扉をそっと開ける
櫛の歯に灯を点し神殿の奥に
イザナミの体に「雷(いかづち)」と呼ばれる黄泉の国の神々

逃げる 
    ① イザナミは泉醜女に後を追わせる
イザナギ 
        黒い蔓草の髪飾りを後ろに投げる
         → ヤマブドウの実
長い櫛の歯を地面に投げる
         → 竹の子
② イザナミは雷に後を追わせる
        - 黄泉の軍勢 
剣を振り回す
桃の実を投げる
          → 逃げ帰る
桃の実に感謝 「オオカムヅミの命」
③ イザナミの命自身が追う
  千引きの岩を動かして黄泉の国と葦原の中つ国との境
       を小さく12

岩を間に問答
「一日に千人が死に,一日に必ず千五百人生まれる」
イザナミの命 
          「黄泉津大神」「道敷の大神」
千引きの岩  
          「道返の大神」「黄泉戸の大神」
黄泉比良坂
         - (伝)出雲の国の伊賦夜坂

5.イザナキの命の禊
 九州の日向  
   橘の小門(おど) 阿波岐の原

イザナキの命の禊ぎ
全てを捨てる 杖,帯,袋,上着,袴,冠,腕輪
↓ → 様々な神々の誕生
水に潜る
◎よくないものが悪神として漂いだした
禍の神
          ヤソマガツヒの神 オオマガツヒの神
◎三柱の神が水から生まれ出る
神々しい神 
           - カムナオビの神
大いなる神 
           - オオナオビの神
その巫女  
           - イズノメ
◎体を揺らす毎に多くの神々が誕生
その多くが海に属する神々
◎両目,鼻を洗う
左目
         - 美しく光り輝く女神 
           アマテラス大御神「天照大御神」             
        右目
         - 聡明清らかな男神  
           ツクヨミの命「月読之命」 

         - 勇猛な力に満ちた男神 
           タケハヤスサノオの命
「建速須佐之男之命」

 アマテラス大御神に首飾り(稲の霊)をイザナ
           キが与える
  イザナキ 
    アマテラス大御神に「あなたは高天原を御支配しなさい」
ツクヨミの命に「あなたは夜の国を御支配しなさい」
タケハヤスサノオの命に「あなたは海原を御支配しなさい」







☆「三日でわかる古典文学」 大橋敦夫・西山秀人 ダイヤモンド社 2000年 ⑦【再掲載 2015.5】

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◇枕草子
主観・客観が入り交じるエッセイの元祖
  「枕草子」成立のきっかけは大量の神束」
   薄幸の中宮定子に捧げる作品 
       尊敬する定子へのオマージュ
宮中をつぶさに観察するルポライター
  父・清原元輔 
    16歳で橘氏長男・則光と結婚 
      長男・則長 → 離婚
→ 藤原実方と愛人
    → 藤原棟世
  中宮定子の墓陵近くに住んだ晩年
  清少納言と中宮定子のすてきな関係
自然への関心が強い清少納言の鋭い感覚
  3タイプ 
     ① 類聚章段 
     ② 随想章段 
     ③ 日記的章段
連想ゲームのように発展する歯切れのよい文章
  自然と人間を観察の対象とする
   清少納言の好きなものと嫌いなもの


◇更級日記
夢と現実の間で揺れ動く女の回想日記
  菅原孝標女 
      9~13歳で上総国で父と 
       → 京に戻る旅から始まる
書名の由来は更級郡の姥捨て山伝説
夢見る少女から信仰の世界に至るまで
  33歳で結婚 受領層の橘俊通 
    51歳で死別 → 日記


<平安後期中古>
貴族 → 武士  
    宮廷文化の裏の権力抗争
創作中心 
    女性 → 男性
中古から中世へ過渡期の文学

 
◇大鏡
藤原氏を通して歴史全体を見ようとした物語
  二人の超老人と若者の問答スタイル
    190歳の大宅世継 180歳の夏山茂樹 30歳の若侍
「大鏡」と「栄花物語」の違い
     人物描写 
       性格の裏表を明快に語る
   その後の歴史物語の先駆的作品
分析的な歴史性と深見のある文学性を併せ持つ作品
    花山天皇を出家させた藤原道兼の策略
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