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「同志社からの道」朝日新聞出版社 1998年 /「学校教育うらおもて事典」佐藤秀夫 小学館 2000年 ②【再掲載 2016.9】 [読書記録 一般]

今日は3月29日、金曜日です。

今回は、同志社大学編集による
「同志社からの道」を紹介します。


出版社の案内には

「同志社大学出身で、現在各界の第一線で活躍する84人が自分の生き
ざま、学生生活、信条などを語った。同志社大学で過ごした青春の
日々が、彼らにどのような影響を与えることになったかを知ること
 ができる。」

とあります。



もう一つ、再掲載になりますが、佐藤秀夫さんの
「学校教育うらおもて事典」②を載せます。



☆「同志社からの道」朝日新聞出版社 1998年

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◇はじめに
□「AERA」に「同志社からの道」として3年6か月連載
同志社大学の広告  
     84人の
てきとうふき
    = 人に御せられない人
明快な明晰な考えを持っている人
 良き師・良き友・良き書物       1998.9


◇松井直  1951年法学部卒
まついただし 
    '26京都生 福音館書店創立 「こどものとも」
  子どもに対する大人の責任 
日本にとって国際性 
    アジアを知る
  同志社とわたし
    「学生を丁寧に扱え。ジェントルマンとして。」


◇大津健一 1969年神学部卒 
アジアの人たちと対等に支え合う新しい生き方を共有していきたい
  日本キリスト教協議会総幹事
  筑豊からアジアを見たとき  
「共に生きる」ことの難しさ
     ~ 多様性の中の共通の場
  アジアの一員として 
同志社とわたし
    「デモの中、信仰との関わりの中で社会的責任を」


◇野村かつ子 1951年文学部卒
他人任せでなく自分で考えて行動する生活者力がもっと出てほしい
  海外市民活動情報センター代表 
理屈だけでなく生活者の論理  
    社会問題への開眼
大きな構造に目を向けて
同志社とわたし 
   戸坂潤
   「学者は社会をいろいろ解釈するが問題の要は社会をいかに変革
    するかだ」


◇岩井彩 1969年法学部卒
能面もお能も人間の内面や普遍的な感情を表現するもの
  能面師へ自立の道  
内面を写す古面の奥深さ  
    普遍性を持つ感情の魅力
同志社とわたし
   「同志社は社会の上でなく、社会の下で働く人をつくる」
                          住谷悦治


◇長倉洋海 1977年法学部卒
  厳しい状況の中で見えてくる人間の生きざまや優しさを伝える
  フォトジャーナリスト 
痛みを知る人々が優しい  
    同じ人間として
  同志社とわたし
    探検部の仲間


◇山口忍 1991年文学部卒 
 何も形として残さなくても人が育ち自分たちで問題解決できるよ
  うに
  カンボジア 
    国連 ボランティア
  「生きるために学ぶ」すばらしさ  
引っ張るのではなく、押す 
    対等な関係に立って
  同志社とわたし
    寮生活


◇小川和久 1971年神学部中退
国民が本当に国の主人にならなければ平和も軍縮も実現しない
  国際政治軍事アナリスト 
民主主義へのハードル
日本社会は憲法違反だらけ
納税者としてもっと関わっていこう
 「全身に良心が満ちあふれた人間」新島襄  


◇士野(ひじの)繁樹 1965年経済学部卒
官僚もメディアも学者も日本人だけで議論している時代じゃない
TBSブリタニカ出版担当取締役
批評がない日本
比較の視点が必要  
    複眼の見方  
    国際貢献ではなく国際義務


◇春山直岳 1975年法学部卒
今の時代に通用するぼくのチェンバロをつくりたい
  難しいからこそ辞められない  
    手作りが何でもいいわけではない
  同志社とわたし  
    雰囲気のいい学校 
    何となくのんびり 
    人と違っても平気


◇石丸正運 1965年文学部卒  
感性を磨くにも心を磨くにも試練がいる
美術史家  
    滋賀県立近代美術館長
豊かさの中での教育の難しさ


◇木村政雄 1969年文学部卒
笑いの文化のほうが上等やとならんと日本はようならん
吉本興業制作担当取締役
やるのならド真ん中で
大阪弁は等身大でおもしろい  
    全国の7割をファンにしたい






☆「学校教育うらおもて事典」佐藤秀夫 小学館 2000年 ②【再掲載 2016.9】

[出版社の案内]
21世紀・学校の大改革を目前に、学校の慣行『モノ・コト』の成り立
ちをうらからおもてから掘り起こす事典。○×△、内申書、総合的な
学習、日の丸、君が代等39項目について徹底解明。

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◇選抜 
□選抜 
  = 過程よりも結果が唯一の判定基準 厳しい世界

□選抜の基本は「公正さ」
学校教育が殆ど唯一の社会階層上昇の制度階梯に仕向けられた近
  現代日本社会においては,学校制度への入学選抜による「公正さ」
  が一貫して強く求められてきた
- ◎「公正さ」追求の改革史

□「地獄」から「戦争」への展開
西欧のような「資格認定」主義でなく,「定員採用主義」の原則
   - 入学試験が特に「厳しさ」と「非情さ」を帯びた
予備校,受験雑誌,参考書
   - 受験地獄(20世紀初頭から)
→ 戦争 世俗化

□受験最大の問題 
  = 「過程」を抜きにした「結果」重視
 → 詰め込み


◇浪人
□「浪人」の定義 
  古代「浪人」より近世の「牢人」に近い
主君や所帯を失った「牢人」

□「牢人」から「浪人」へ 
  士分を捨てたり学芸に入ったり
 松尾芭蕉,近松門左衛門,宮本武蔵,小鹿素行,熊沢蕃山
「牢人は字さえあさましうかんむり,牛か牛かと人に言われて」
学校と「浪人」 
    入学目的の本音は「仕官」

□学校接続が連続化
  1921年以前は高等学校入学は9月 
   - 「現役」は軍隊用語
 

◇学校五日制
□2002年4月から完全五日制

□「一六」休業と「日曜日」休業 
  1960年代以降常態化
   リーダー
     = 大企業,官庁,学校
大学南校・東校「一六」休業
    = 五日毎に一日休業
太陽暦 明治6(1873)年以降
 日曜休日はキリスト風習として忌避された
     → 翌1874年より日曜休日制

□学校休業日とは?
近代教育発足当初は週休二日制が試行されていた
当初 
    日曜休日制廃止 
      = 反耶蘇教
   一六休日制廃止
      = 教え込み不足
  大戦中は勝手に休業日
  1945年以降
 国民学校初等科のぞく全学年授業1年停止
   「休むとは何事ぞ!」
   → 「授業するとは何事ぞ!」
◎学校休業日はその時々の教育権力や学校管理者の都合による
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「知的複眼思考法」苅谷剛彦 講談社+α文庫 2002年 ⑤(最終) /「行列ができる奇跡の商店街」吉崎誠二 青春出版社 2011.3 ①(前半)【再掲載 2016.12】 [読書記録 一般]

今日は3月28日木曜日です。

今回は3月25日に続いて苅谷剛彦さんの、
「知的複眼思考」の紹介5回目 最終です。



出版社の案内には、

「常識にとらわれた単眼思考を行っていては、いつまでたっても『自分
の頭で考える』ことはできない。自分自身の視点からものごとを多角
 的に捉えて考え抜く、それが知的複眼思考法だ。情報を正確に読みと
 る力。ものごとの筋道を追う力。受け取った情報をもとに自分の論理
 をきちんと組み立てられる力。こうした基本的な考える力を基礎にし
 てこそ、自分の頭で考えていくことができる。ベストティーチャーの
 奥義!!
 全国3万人の大学生が選んだベストティーチャーの奥義!!
 逆風の時代を生き抜くには、知識を超える「何か」が必要になる。
 正解を見つける力より問題点を見出す力を。
 真実が見える瞬間のスリルが人生を変える!!
 常識にとらわれた単眼思考を行っていては、いつまでたっても『自分
 の頭で考える』ことはできない。自分自身の視点からものごとを多角
 的に捉えて考え抜く-それが知的複眼思考法だ。情報を正確に読みと
 る力。ものごとの筋道を追う力。受け取った情報をもとに自分の論理
 をきちんと組み立てられる力。こうした基本的な考える力を基礎にし
 てこそ、自分の頭で考えていくことができる。全国3万人の大学生が
 選んだ日本のベストティーチャーによる思考法の真髄!」

とあります。



今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「ものごとの二面性(多面性)に注目する」


・「価値はあくまで人々の関係の中に現れる」


・「偏差値教育批判を関係論的に見直すと、『偏差値さえなくせば』
という発想が問題。変えなければいけないのは試験問題の中身
であり、入学試験などの選抜のやり方やそれに向けての進路指
導の方法の問題があったのに。」


・「日本は決して平等社会ではない。日本は出身階層による教育の不平
  等を抱えた社会であり、『生まれ』による不平等が…」




もう一つ、再掲載になりますが、吉崎誠二さんの
「行列ができる奇跡の商店街」①を載せます。




☆「知的複眼思考法」苅谷剛彦 講談社+α文庫 2002年 ⑤(最終)

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<複眼思考を身に付ける>
◇関係論理的ものの見方
□STEP1 ものごとの二面性(多面性)に注目する
(例)「就職難」「過労死」

□STEP2 関係の中でものをとらえる
社会科学「関係論」
マルクスの「貨幣論」
     ◎ 価値はあくまで人々の関係の中に現れる

□STEP3 偏差値教育批判を関係論的に見直す
偏差値の実体論
→ 「偏差値さえなくせば」 逆立ち発想
→ 変えなければいけないのは試験問題の中身であり、入学試験
    などの選抜のやり方やそれに向けての進路指導の方法の問題
→ 試験問題出題の工夫、採点の方法の議論を抜かしたことに問
    題がある

□STEP4「ひとり歩き」を止めて考える 

□STEP5 関係論的見方を導く手立て
①「○○化」として問題をとらえる 
→ ○○を主語として語らない
② プロセスを見るために関係を見る



◇逆説(パラドツクス)の発見
□STEP1「行為の意図せざる結果」へのまなざし 
マックス・ウェーバー
「禁欲」的な生活態度が資本主義を生んだ
計画的・合理的会社の経営
      -「逆説の発見」

□STEP2 当初の狙いと実際の比較
(1) 副産物・副作用への視線
(2) 抜け道の誘発
      - 裏をかく人々への視線
(3) 小さな出来事の大きな意味
(4) 当たる予言・外れる予言



◇問題を問うことを問う
□STEP1 問題の流行り廃り
何でも「いじめ」に
    メタの視点
     ~ ひとつ違うレベルで当の問題自体をずらして見る   

□STEP2 作られる問題・隠される問題
「いじめ」「セクハラ」の一人歩き
◎ 日本は決して平等社会ではない
     - 日本は出身階層による教育の不平等を抱えた社会
=「生まれ」による不平等
しかし、日本の平等神話は変わらない
- ある問題(成績による序列化や学歴差別)が脚光を浴びる
      ことで、その問題に関連はあるもののその問題の陰になっ
      て目立たなくなってしまう問題(出身による教育の不平等)
  ◎ 逸脱者は作られる
     - ラベリング論
米国社会学者 ハワード・ベッカー教授「ラベリング論」
~ ものを見る視点によってその意味が違ってくる

□STEP3 問題とその文脈

□STEP4 メタを問う問いのかたち
  「ある問題を立てることでだれが得をするのか、だれが損をするのか」 






☆「行列ができる奇跡の商店街」吉崎誠二 青春出版社 2011.3 ①(前半)【再掲載 2016.12】

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◇商店街の歩んできた道
 似たような景色が広がる地方都市
地域の独自性のない店舗が広がる日本の郊外

  なぜ人は郊外に憧れたのか   
衰退の理由 
     = 商店街近隣住人の減少

  総合スーパーの進出が衰退に拍車を掛けたのは本当か
 スーパーマーケット
    ① チェーンストア 
      ② セルフサービス 
      ③ 最寄り品がそろう
      ④ 安価
食料品・衣料品・住宅関連品 
      それぞれ10~70%
       = 総合スーパー
  どれかが70%以上
       = 専門スーパー
都市      
      2大都市以上 
       = 全国スーパー
    4都道府県以上
       = 地域スーパー
     3都道府県以下 
       = 地方スーパー
流通の革命 
      ① セルフサービス方式
② チェーン方式 他店舗化・大型化
1号店
      1953(S28)年 
       「紀ノ国屋」東京・青山 セルフサービスレジ
    イメージ変化 
       「ダイエー」1857.9 大阪・千林商店街
      大きな反対運動は起こらず
         「主婦の店・ダイエー薬局」
   1964年 関東に進出
          ← 反対運動
  1973年 大規模小売店舗法

  商店経営者が直面した内なる事情 
    後継者問題

  復活への足音が聞こえ始めた
 2006.5 
     中小企業庁「がんばる商店街77選」原動力は商店主
      ・自分たちができることは何か
       ・この商店街だからできることは何か



◇「ここに来れば何か楽しいことをやっている」大須商店街(愛知県名古屋市)
 多彩なアイデアでにぎわいを取り戻した商店街
 
  「気付いたときには手遅れ」という教訓
 地下鉄:上前津駅
         矢場とん・青柳・大須ういろ・コメ兵
 まだどこもやっていないことをやる
空き店舗 70年代後半~80年代 
     → テナント調査活動
   → 着手 ① 商店街マップの作成 
          ② アーケード整備 
          ③ 公衆トイレ設置
→ 店のトイレ使用(トイレ協力店)
 資金がないからこそできたこと
   1975・1976 「アクション大須」
    1978    「大須大道町人気」
    1977    鶴舞線 アメ横
  人の流れを変える仕掛け
    イルミネーション
    「世界コスプレサミット」2003~
  如何に話題をつくるか
    如何に知恵を絞るか 
  祭り委員長は一人1年限り
 枯れることのない発想力の源泉
 「大須案内人」
     案内、質問に答える 16人のボランティア
  大須検定受検者の中から希望者を募る
  商店街の検定
 「20%でも改善されれば20%の成功」
 万松寺「身代わり餅」
   信長が朝倉攻めの帰路、杉谷善住坊の銃弾が万松寺の和尚
     からもらい受けた平餅にあたり難を逃れたとの伝 
      - 加藤清正命名
→ 毎月縁日は災難・厄よけとしてつきたてのもちを無料で振
     る舞う
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