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(1)「必携教師のための学校著作権マニュアル」(著)中村司、清水俊一 、西田光昭  (監修) 清水 康敬 教育出版 2006年(2)「ひとむれ第6集」谷昌恒(元北海道家庭学校長)評論社 1991年 から 【再々掲載】 [読書記録 教育]


今回は「必携教師のための学校著作権マニュアル」を紹介します。



出版社の案内には、

「著作権の悩みを解消します。具体的な場面を設定し、見開き構成でわかりやすく解説。」

とあります。


「わかりやすく」とはありますが、やはり難しく…
勉強になりました。


もう一つ 再々掲載となりますが
谷昌恒さんの「ひとむれ第6集」の中の文を紹介します。
谷さんの文章は 心にずっと残ります



<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

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(1)「必携教師のための学校著作権マニュアル」(著)中村司、清水俊一 、西田光昭  (監修) 清水 康敬 教育出版 2006年

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◇覚えておきたい知識
□著作権     
    
 財産権    
  - 知的財産権 - ①著作権(登録しない) 

            ②工業所有権
登録 特許権・実用新案・意匠権・商標権


 
□法律とモラルの違いから


 法律 - 規則,条例等公的機関で決定 - 刑法,条例,著作権法など
 (罰則ある場合も)



        ー  人として守るべきこと 公衆道徳
モラル   (罰則がない) マナーなど


□著作権 = 権利の保護と文化の発展を目的とする<著作憲法第35条>

 第35号 学校その他の教育機関における複製等

授業の過程の範囲 



□著作者と著作権者






◇授業の場面で

□テレビ・ビデオ
  「担当する者」 × 校長,指導主事

   録画の録画はOK






◇特別活動の場面で

□キャラクター 掲示物OK - しかし,長期はダメ

 学級通信等は×



□修学旅行   

 一部複製はOK








(2)「ひとむれ第6集」谷昌恒(元北海道家庭学校長) 評論社 1991年 から 【再々掲載】
 
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 東井(義雄)先生は不用意にも、その母親の心を傷つけてしまったことを深く詫びな
がら、次のような作文を見せて、亡きお父さんをも生かす母親になって下さいと、重ね
てお願いをされました。


 作文は小学4年生が書いたものです。

 この作文も諸君にはよくよく分かると思います。





 『おかあさん』

 ぼくのとうさんは、ぼくの小さいときに死にました。

 それでも

「とうちゃんは、どこかでぼくのすることを見とるんや」

と、かあちゃんはいいます。

 かあちゃんは、おこってぼくの頭をたたくとき、

「これは、とうちゃんのかわりにかあちゃんがたたくんや」

といいます。

 かあちゃんは、いつも働いているので、家へ帰るのがおそくなります。とうちゃんの
ぶんも働くからです。

 ぼくが夕方、戸口のところで待っていると、帰ってきて頭をなでてくれます。ぼくは
うれしくなって

「とうさんのぶんもなでて」

といいます。するとかあちゃんは

「よし、よし」

といってなでてくれます。

 この間のばん、ぼくが宿題をやっていると、かあちゃんが

「亮太は勉強がすきになったでええな」

といいました。

「ちがう、きらいや」

というと、

「勉強のきらいなもんはえらいもんになれせん」

とかあちゃんがいいました。

「へえ、そんならおらの組では、健ちゃんがいちばんえらいもんになるんかよ。なら、
 えらいもんなんかなりたかねえ」

と口答えをしました。

 健ちゃんは、勉強ができるかもしれないがいばるから、ぼくはきらいです。

 すると、かあちゃんはぶすっとしてしまいました。

 ぼくはだまっていましたが、かあちゃんがものをいわないので、だんだんつらくなり
ました。

 ぼくはかあちゃんのところへいって、

「かあちゃんたたいて」

と頭をだしました。するとかあちゃんは

「もうええから勉強しな」

といいました。

「そんなら、とうちゃんのぶんたたいて」

といいました。そしたら

「よし」

といって、かあちゃんはわらいながら、ぼくの頭を一つコツンとたたきました。

 ぼくほうれしくなって、また勉強をやりました。

 ぼくはかあちゃんが大すきです。





 小学校4年生の亮大君の作文は、読んでいて、じんと胸が熱くなります。頭がにじんできます。

 東井先生は、亡くなったお父さんを生かすお母さんになって下さいと言って、この作
文を読んでもらったのです。


 僕は父さんも母さんもいないよ。いきなり、そんな諸君の叫びを聞いたような気がし
ました。父さんも母さんもいない人は、どうしたらいいんですか。何人かの諸君がそう
言っているように思いました。

 たくさんの子どもがいれば、中には、父さんのいない子ども、母さんのいない子ども、
父さんも母さんもいない子どもは必ずいるのです。教室に一人か二人、必ずいるものな
のです。


 しかし、家庭学校には、もっともっと沢山いるのです。

 父さんも母さんもいないという人が沢山いるのです。

 諸君は普通の学校の生徒の何倍も苦労をしているのです。その沢山の人たちの気持ち
を考えたら、今日のような私の話はしてはいけないことなのかも知れません。

 私は私の無神経さ、思いやりのなさを、諸君にあやまらなければならないのかも知れ
ません。



 諸君、両手を出してごらん。

 右の手と左の手をずっと前に出してみて下さい。

 父さんも母さんもいないと言う諸君、力強く、その両手を前につき出してごらんなさい。
 
 諸君のその両手は、まぎれもなく、諸君の父さんと母さんが遺していって下さったも
のです。

 嬉しい時は、右のこぶしで、どんと強く自分の左の胸を叩いてみて下さい。そして、
左のこぶしで右の胸も叩いて下さい。

 ワアーッと大きな声を出してみて下さい。お父さんとお母さんが、君の胸を叩いて、
よかったねとおっしゃっているのです。

 トントン、トントン、二度も三度も、交互に、左右のこぶしで胸を叩いて下さい。喜
びが、腹の底から湧き上がってくるように思いませんか。

 諸君が何か間違いをした時は、右の掌で思い切り右の頬を叩いて下さい。そして、左
の掌でも左の頬をピシピシと叩いて下さい。

 父さんと母さんが叱って下さっていると思ってほしいのです。

「この大馬鹿者め」

そう言って、叱って下さっているのです。


 父さんも母さんもいない人はどうしたらいいのか、と言う諸君に私は言いたいのです。
ぎゅっと、固く固く、左右のこぶしを握りしめて下さい。これ以上は握れないというほ
ど力をこめて握ってみて下さい。死んだ父さんと母さんを生かす諸君になって下さい。


 その左右の手は、父さん母さんから頂いたものなのです。

 握りしめたこぶしからにじみ出る汗と共に、強い勇気と決意が満ちてくると思うのです。

 人間の境遇は一人ひとり違います。自分一人の辛さ、悲しさは内に秘めてしまう強さ
がほしいのです。 

 しかし、力みすぎて、意固地にならないでください。父親に代わり、母親に代って、
親身の世話を焼いて下さる人がいるならば、その人の懐に飛び込んで、甘えてほしいの
です。


 長い道のりの人生にほ、どうしても助けがいる時があるのです。

 愛される人でありたいと思うのです。

 つっぱってばかりいる人は可愛げがありません。

 甘えっ子で、人なつこくて、芯の強い子ども、亮太君も、川柳の作者も、そんな人柄
の子どもだったのではないでしょうか。




□谷昌恒さん
 1922年、東京府に生まれる。熱心なキリスト者の家庭に育つ。
 1945年、東京大学理学部地質学科を卒業する。

 戦後、戦災孤児たちの姿を見て志を与えられ、福島県に堀川愛生園(養護施設)を創設、
戦災孤児たちとの生活を始める。

 1965年、堀川愛生園を辞し、社会保障研究所主任研究員として、主に各国制度の比
較研究に従事する。

 1969年、北海道家庭学校の第5代校長として招かれ、いわゆる非行少年の教育、指
導にあたる。

 1993年、第2回ペスタロッチー教育賞を受賞する。

 1997年、北海道家庭学校の校長職を辞し、引き続き理事長としての任にあたる。



 谷さんは『ひとむれ』(評論社)という本(シリーズになっている)に、子どもたち
の作文とそれに対する評を載せて、子どもを育てることについて根本的なことを書かれています。



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「色川大吉対談集 あの人ともういちど」色川大吉 日本経済評論社 2016年 ② [読書記録 一般]

今回は2月19日に続いて 色川大吉さんの対談集
「色川大吉対談集 あの人ともういちど」の2回目の紹介です。



出版社の案内には、

「1970年代後半から最近に至るまでの歴史家色川大吉の異色対談集。女優あり作家あり、
 原発の告発者あり。石牟礼道子、阿部謹也、先ごろ没した安丸良夫ら愛蔵すべき対談
  の数々。」

とあります。


大変楽しむことができた本です。



今回は、色川式大さんと山崎朋子さんとの対談の紹介です。

女性史、勉強になりました。
また、この本で、児童文化研究者の上笙一郎さんが配偶者だと初めて知りました。





<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
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☆「色川大吉対談集 あの人ともういちど」色川大吉 日本経済評論社 2016年 ②

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◇新しい女性史を目指して 山崎朋子
 
□山崎朋子 
 1932~ 佐世保生 

 1952福井大修了 → 小学校教師

 1966 夫の上笙一郎との共著「日本の幼稚園」で毎日出版文化賞

 アジア女性史研究 「サンダカン八番娼館」大宅壮一ノンフィクョン賞
 


□「アジア女性交流史」

 『アジア女性交流史』明治編・対称編

女性がアジアの底辺で 3つが一つの延長上
 


□相馬黒光(こっこう)のことなど 

 相馬黒光「黙移」 ヒハリ・ボースと俊子、渡辺倭文栄(しずえ)

↓ 篠山紀信の叔母 20年間ボースの面倒

片方では相馬家の財政的なルートを確保しながら、片方では倭文栄さんに結婚もさせな
いで奉仕させる ~ ひどい方じゃないか

 山崎朋子 「渡辺倭文栄聞き書き」

 郭沫若(かくまつじゃく)の日本人妻 佐藤をとみ
 


□明治と大正の違い

 明治人  国家意識が強い  河原みき子(教師→スパイ)

 大正人  すこし余裕 → 自分の気持ちで ← 教育

      大正 国家と個人との対立する価値をぶつけあうところに



□女中史の意味

 山崎 ~ 売春婦、女中、女工、農婦


 昭和   女中さんの手がある 

残酷-低賃金、労働者を雇ってありとあらゆる仕事をさせる
 


□根強い文書信仰
  
「いわゆる文献資料がなければものがいえない」=「学問」

            |

 公的な歴史 「文書資料がなければ当人がいくら主張しても認めない」
 
    行政 活字化された物がなければ資料として認めない       



□魔にとりつかれる研究者

 1972「サンダカン八番娼館」

 本物 
 「先生は広い世間のこと、学問のことをいろいろ知っとるだろうけど、この問題につい
  てはわしが先生じゃ」
  
           ∥

 相互交流の中で研究者自身が自分を変えなくちゃならない        
1995.1 「ちくま」No289



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