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「表現力のレッスン」鴻上尚史 講談社 2005年 ⑥(終了) / 「竹内レッスン」竹内敏晴 春風社 2006年【再掲載2014.2】 [読書記録 教育]

今回は、4月23日に続いて、鴻上尚史さんの
「表現力のレッスン」の紹介 6回目 最終です。


教育の世界でも「表現」力をどうつけていくかが注目されています。
鴻上さんの本書、大変参考になりました。



出版社の案内には、


「あなたの周りにもいませんか? 特別美男美女というわけではないし、ファッションが
 ばっちり決まっているわけではないけど、何だかカッコいい人。じつはその人たちは素
 敵な表現力を持っている人たちです。そして表現力は『技術』なのです。技術ですから
 練習すれば誰でも身につけることができます(もちろんプロのレベルとまではいきませ
 んが)。それなのに日本ではその技術を教える本もなければ、教える場もほとんどない
 ようです。
 それはすごくもったいないことだと著者は言います。
 ファッションやメイクの方法を身に付けるように、表現力を身に付けて、もっと魅力的
 になりませんか、と著者は言います。
 この本を読むと、誰でも楽しみながら表現力を身に付けることができます。おそらく自
 分の体や声について新しい発見もあるでしょう。そして必ず実践していただくことで、
 日々のコミュニケーションもまた、楽しくなるはずです。」


とあります。





今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「ワンポーズレッスン」


・「スリーポーズレッスン」


・「ステイタス・アップ・レッスン」


・「絵画・表現レッスン」


・「あいうえお物語レッスン」


・「五要素ブロック・レッスン」







もうひとつ、再掲載となりますが、教職員へのレッスンでも知られる竹内敏晴さんの
「竹内レッスン」を載せます。
からだへの気付きからレッスンが始まるようです。
「ぶどうの会」、先日亡くなられた久米明さんも所属されていました。
演劇と教育、深い結びつきがあります。




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☆「表現力のレッスン」鴻上尚史 講談社 2005年 ⑥(終了)

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◇レッスン16  体で物語を創る
  
□ワンポーズレッスン 

 レッスン3:彫刻レッスンの発展型

→ ポーズを付けられた方が「この形に合うセリフ」を唱える<短いセリフ> ス


□スリーポーズレッスン

 3つまとめてAがBの体を使って作る






◇レッスン17  体で表現を創る
  
□ステイタス・アップ・レッスン   ペットボトルバージョン 

 ペットボトルをステイタスのあるものとして扱う
  


□ステイタス・アップ・レッスン   人間バージョン 

 ある人をステイタスのある人として






◇レッスン18  体で表現を楽しむ
  
□絵画・表現レッスン 

 気に入った絵や写真を体で表現する

  色,もの,構図,光,風 のイメージを 

   3~5分間で






◇レッスン19  物語を創ることを楽しむ
  
□あいうえお物語レッスン 

「あ」で始まる物語  ある日目を覚ますと隣に熊が寝ていた。

   ↓

10秒以内


「い」で始まる文章  いい天気ですねと目が覚めた熊が言った。

             ↓  

10秒以内


「う」で始まる文章
テーマは勢いと連携







◇レッスン20  声の表現を楽しむ
  
□五要素ブロック・レッスン 

 文章に区切りを入れる - ブロック作り

1 ブロックごとに声の大きさを変える(感性のリアリティは必要なし)

大きさだけ


  2 高さだけ変える


  3 速さを変える
      

  4 間を変える


  5 声色を変える



各ブロックそれぞれで



各ブロック
    「大きさ」「高さ」「速さと間」「声色」

4つの内の一つのテーマ(気持ちをとりあえず無視)






◇鴻上尚史(こうがみ しょうじ)

 1958年 愛媛県生  早稲田大学法学部卒

1981年 「第三舞台」作・演出

現在「KOKAMI@network」
















☆「竹内レッスン」竹内敏晴 春風社 2006年【再掲載2014.2】

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◇竹内敏晴

1925年東京生 東京大学卒業 演出家

劇団「ぶどうの会」,代々木小劇場 ~1972竹内演劇研究所

宮城教育大学教授 - 南山短期大学教授





◇ライブとしてのレッスン はじめに レッスンのプログラム

□明るい豊かな少年の声  

(1) からだの気づき - 安らぐこと,立つこと,失うこと

  三角座り - 縛って固めてしまっている

奥歯をかみしめないで歌おう 
     体全体で歌おう
      
    ・人が立ち上がると言うこと(生き物の進化)

    ・歩くとはどういうことか

    ・後ろ転がり,前転がり,逆立ち

    ・動物に「なる」

    ・出会いのレッスン

    ・ダンスの始まり

    ・仮面のレッスン 




(2) 声と言葉の気付き - 日本語のレッスン

□呼び掛けること - 言葉はアクションだ

   ・息を広げること,深く吐くこと

  ・日本語の発音発声の基本

  ・歌の始まり

・呼び掛けのレッスン

・笑いと泣きの音階




(3) 人とのかかわりの気付き - わたしとあなた

□「安らぐ」こと - 揺らすこと,揺らされること

 ① 床に仰向け

  人に見てもらってゆがみを直す



腹式呼吸


深く静かに息をして繰り返す→しんとしてくる

体全体の重みを大地に委ねる



 ② 相手の人が横たわったら手首をとって肘を立ててみる

  → 手を離すとすとんと手首が前に落ちれば力が十分抜かれている印
  
    ~ 息をさいたときに手首を落とすとすっと下りる

息を吐くとき力が抜ける




 ③ それ以後全ての重さ相手に委ねて手首,肘,胸,背,足などを次々に揺すってもら
  う

→ 力が抜けていく「ゆらし」



 
□安らぎを送り合うこと

言葉の喜び

野戦病院からエスティティックまで
  脱力 ~ からだほぐし ~ ゆらし「安らぎを送り合うこと」

ゆらしに時間をかける


 
□「じか」であること

 じかでなければ生きられない社会

じかであっては生きられぬ世界
  

 
 視野,希望,土の座の火 


 
 「レッスン場は野戦病院」








Ⅱ 21世紀こんにちは

安らぐこと,歌うこと,笑うこと


言葉は大して役に立たないんだよ


「おおい雲よ」の響き合い


  特別ワークショップ 砂浜の出会い







Ⅲ 春立つときに 太平洋の要石 ~ ペリーの根拠地 

春三月大阪のオープンレッスン

のんびりたっぷり息を吐く 「こっちへ来てよ」


相手意識が大切



  この体一つ天地を歩く  「こっちへ来て」





<報告>「最近歯をかみしめたまましゃべる子どもが増えてきている。」

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「常民教育論」長浜功 新泉社 1982年 ⑥ [読書記録 民俗]

今回は、4月22日に続いて長浜功さんの
「常民教育論」の紹介 6回目です。


わたしに教育と民俗学とのつながりを教えてくれた一冊です。




出版社の案内には、


「柳田国男は戦後日本の混乱と低迷を憂い、監修者となって国語と社会の教科書をつくっ
 た。しかし教育界からは無視されて、この教科書は短命に終わった。この柳田の『常民
 教育』が教育に生かされていたならば今日の教育の混乱はなかった、と教育学から柳田
 に挑戦する。」



とあります。







今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「地域の教科書を!」


・「現在は(氏存命の頃) 人間を知らない教育論 子供を知らない教育論」


・「柳田国男 
  ① 義務教育期 『平凡人』の教育  中以下に合わせる
 ② 高校教育期 『平凡人以上』の教育」


・「柳田国男(の)国語教育重視(は)良き選挙民をつくる(ため)= 判断力を持つ人間」
- このごろの投票率を見ると…




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 山田卓司さんのすばらしい作品を 
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☆「常民教育論」長浜功 新泉社 1982年 ⑥

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◇柳田国語教科書の骨格(1)

□柳田国男の情熱


 唐沢富太郎『教科書の歴史』偕成社1980
教科書が日本人をつくった



 柳田国男
   もとは教科書不要論者 ~ 画一形式性



社会科 
    全国どこへ持っていってもとにかく間に合うものにしようとしたらいい加減にな
   ることは、まず請け合い



    地域の教科書を!
 




□独特の教科書観

 柳田国男 
   目先主義に陥ることなく時流におもねることのない独自の領域を開拓



現在は…  人間を知らない教育論

子供を知らない教育論
 




□表現力と判断力

 柳田国男の教科書 
   国語と社会科

谷川彰英他『文明と伝統の授業』明治図書



普及せず



 庄司和晃
  「史心と風土観という二本柱に対する教師の力量不足」
 


 柳田国男 
   ① 義務教育期 「平凡人」の教育  中以下に合わせる

   ② 高校教育期 「平凡人以上」の教育

       ↑

   国語教育 (1)表現力の問題

(2)判断力の問題



とりわけ「日本人に表現力をつけさせること」



 表現力 ~ 話し方、文章力

表現力は話し方を第一歩とする

口達者 - 大抵考えなしにものを言う人 ×



簡潔な表現力の教育
◎ かいつまんで言う
 




□中学国語の構成

 柳田国男中学国語 P204~215

- 話し方や書き方の表現力に非常な力を入れた
 




□判断力の構想

 柳田国男 
   国語教育重視 - 良き選挙民をつくる = 判断力を持つ人間

  「ことわざ」「なぞ」を積極的に取り入れた
 



□「はなむけ」の言葉

はなむけの言葉-青年期の話 P225~228
 




□無知の相続

一年(下)
  「無知の相続」-日本人全体への警鐘

   無知は偉大なる遺産である

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