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「どこからお話ししましょうか 柳家小三治自伝」柳家小三治 岩波書店 2019年 ④(最終) / 「学校の先生のための心の診療室」 大原健士郎 講談社 1999年 ①【再掲載 2012.10】 [読書記録 一般]

今回は、1月21日に続いて、柳家小三治さんの
「どこからお話ししましょうか 柳家小三治自伝」の紹介4回目 最終です。


出版社の案内には、

「円熟の古典落語、軽妙なマクラで、聴くものを魅了してやまない噺家・柳家小三治。本
 書では、生い立ち、初恋、入門、修業時代、落語論から、バイク、クラシック音楽、俳
 句、忘れじの人々まで、すべてをたっぷり語り下ろす。独特の語り口もそのままに、ま
 さに読む独演会。芸と人生に対する真摯な姿勢が、初めて明らかに。」

とあります。


今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「会長の仕事は、『いい人をいい』って言うだけですね。いい人を見つけ出すことは考
えていました。」


・「私は小さんの弟子ですから、師匠と同じで自分の弟子を重用しようっていうアタマは
ありませんでした。でもその頃の噺家で、そうしているのは小さんだけだった。」


・「客もよく知っている。はなし手もよく知っている。だけど、噺の中に出てくる登場人
  物は、この先どうなるのか何も知らない。」


・「そこがおかしいから笑うんじゃなくて、その前があるからおかしいんだ。」



小三治さんだからこその言葉だと感じました。
記録に残しておいてよかったと思います。
いつでも思い出すことができます。




もう一つ、再掲載となりますが、大原健士郎さんの
「学校の先生のための心の診療室」①を載せます。

「精神疾患による休職者は5180人(前年度比298人減)で、全教員の0.56%。07年度
以降、5000人前後と高止まりしている。これに精神疾患による1か月以上の病気休暇
取得者を加えると、9452人(同190人減)となり、全教員の1.10%だった。休職者と
休暇取得者の合計のうち、20代は2140人で、同年代の教員全体の1.43%と割合が最も
高く、次いで、30代(1.22%)、40代(1.12%)、50代以上(1.84%)だった。」
と、昨年12月22日の読売新聞の記事にありました。
20代の若い人がたいへんな思いをしてしまう現場であっては困ります。
多忙化が指摘されてから随分経ちますが‥ 少しでも??



<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
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☆「どこからお話ししましょうか 柳家小三治自伝」柳家小三治 岩波書店 2019年 ④(最終)

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【たいへんおもしろくよみました。おすすめです。】

◇会長、国宝、そして大手術
 
□落語協会会長を受ける 2010年6月

 前任(十代目鈴々舎馬風)が
   「やっぱりお前ダメか?」

   「やるよ」

   「えっ、やるのか」



「会長は、圓歌、馬風って続いてきたわけですよね。その流れの中で、誰かはわかりませ
 んでしたけど、新作じゃなくて古典の人へのバトンを渡してもらわないと、落語協会も
 形がグズグズになっちゃうんじゃないかという恐れが、そのころのわたしにあったんで
 しょうか。だから大変だなとは思ったけれども思い切って、えいっやるよっていう覚悟
 のほどがあったんだと思います。いっぺん、ちょっと空気直ししとかなきゃって。本当
 は 一期二年でやめようと思ったはずなんですけど二期四年やりました。」 



「会長の仕事は、『いい人をいい』って言うだけですね。いい人を見つけ出すことは考え
 ていました。」



「私は小さんの弟子ですから、師匠と同じで自分の弟子を重用しようっていうアタマはあ
 りませんでした。でもその頃の噺家で、そうしているのは小さんだけだった。」



 2012.3 真打ちに抜擢した春風亭一之輔のことは「いいかもしれない」と思いました。
     つらいことをやってもらいたいねえ。落語のおもしろさはがまんがいる。


 2014.6 次の会長をなぜ四代目柳亭市馬にしたか。ポンと若い人に渡そうって思いまし
     た。 

市馬には落語に邁進してもらいたい。


 2014.7 私が人間国宝になったのは、たまたま通りかかったら「ちょっとお前」と言わ
    れた、そういうタイミングだったのでしょう。



「客もよく知っている。はなし手もよく知っている。だけど、噺の中に出てくる登場人物
 は、この先どうなるのか何も知らない。」


 ◎ 今日の八っあん、今日の熊さんをつくって、そのひとにまずなる。なぞることをし
  ない。




◇「青葉」と「厩火事」

□「青葉」 滑稽話

 仲がいいために笑っちゃう噺


 「そこがおかしいから笑うんじゃなくて、その前があるからおかしいんだ。」
    

 「私にとっては滑稽噺も人情噺も芝居噺も区別は何もない。人情噺だから、いかにも深
  刻そうだとか悲しそうだとか、感動的なものを求めるって私も思っていました。でも
  違うんじゃない?なんでもない噺と普通に聞いてて、へえーそうなのかという感動が
  人情噺っぽいものか滑稽噺っぽいものなんかじゃないですか。だから私は、落語家っ
  て言う呼び方より噺をするやつなんだしっていう噺家っていう呼び方が好きですね。」 



◇弟子たち

□白井良幹

 「もっとお弟子さんのことを考えて生きてくださいよ」


 弟子の登用 一門会 親子会
 

「教える教えられる世界にいるやつは素直になれない?」


柳家喜多八(2016.5がんで逝去)




◇おわりに

「バベットの晩餐会」ガブリエル・アクセル監督
    「芸術家に貧乏はいませんわ」のせりふ

 朝日新聞 「語る人生の贈りもの」連載 (2017.10.30~11.17)計14回


◇十代目柳家小三治 1939.12.17東京生 小たけ → さん治 → 小三治  








☆「学校の先生のための心の診療室」 大原健士郎 講談社 1999年 ①【再掲載 2012.10】

<出版社の案内>
「聖職者」と呼ばれる学校の先生たちは、まじめで勤勉なイメージゆえに、ちょっと逸脱
した行為に走ると中傷の的になる。先生たちの心は、いつも緊張状態だ。多発する先生の
異常行為と犯罪、そして子どもの凶悪犯罪や学級崩壊。憂うべき問題を山ほど抱えている
学校に忍び寄る心の病。本書は実際の先生たちの臨床例を多数取り上げ、隠された精神性
疾患の病理を明かし、併せて、適切な治療法と対応策も詳細に解説。
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◇人間関係が表面的で希薄な先生たち

□人間関係は人格と人格とのぶつかり合い


□二つのタイプの教師

 ① 鬱病型

 ② 神経症型

 
□性格と体格

 クレッチマーの性格論

  ① やせ型 = 分裂質 

  ② 肥り型 = 躁鬱質 

  ③ 筋骨型 = 粘着質 

 
<分裂質>やせ形 
      
 非社交的 孤独を好み無口 はにかみ屋
    
 性格 (1)まじめ 非社交的 偏屈

  (2)臆病 内気 過敏 神経質 自然・読書を好む

(3)従順 善良 勇敢 物怖じしない 無口

 

<循環気質>躁鬱気質 肥り型

 性格 (1)社交的 善良 温和
          
    (2)陽気で活発 ユーモアに富む 熱烈 せっかち

    (3)陰気 物静か 不活発 弱気


       ◎ お人好し 人好き 涙もろい 理屈より感情


<てんかん質> 筋骨型

 性格 (1)堅物 熱中 几帳面 秩序を好む

(2)精神的テンポがのろい 回りくどい
非常に慇懃で丁寧

    (3)興奮 立腹しやすい


       ◎ 一つのことに熱中して変化を求めない
  

□教師には「循環気質」と「神経質傾向」が強い

  ◎ いろいろな性格の教師がいて初めて優れた教育現場


□「世間知らず」と言われる所以


□「外相整いて内相自ずから熟す」

   健康人らしくすれば健康になる


□学校は一つの組織体


□教師の親子関係は一種独特 
   
  緊張した親子関係


□「教師やめればただの人」 

   定年後女性が元気


□プライドを捨てきれず不平不満ばかり


□問題を一人で抱え込む人は深刻

  一人では×  

 →  仕事以外に趣味を  <時間 + 金>

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