「大人のための修学旅行 京都の歴史」武光誠 河出書房新社 2002年 ⑪ /「ひろさちやのあきらめ力」ひろさちや 青春出版社 2009年 ①【再掲載 2020.1】 [読書記録 一般]
今回は、4月12日に続いて、武光誠さんの
「大人のための修学旅行 京都の歴史」11回目の紹介です。
出版社の案内には、
「日本史の流れをしっかりふまえたうえでもう一度京都を巡ってみたいという願
望をかなえる“読む修学旅行”の本。歴史的舞台となった名所旧跡から、日本
史の実像が浮かびあがる。」
とあります。
今回紹介分より強く印象に残った言葉は…
・「法皇が平氏と親しい比叡山の天台座主明雲を伊豆へ流罪にしたことに
より、平氏と院とは正面から対立することになった」
・「源行綱の密告により明らかになった鹿ヶ谷の陰謀の黒幕は
本当に俊寛だったのか」
・「後鳥羽上皇が幕府にあれこれ勝手な要求により、承久3(1221)年
朝廷と幕府が武力衝突した(承久の乱)」
・「鎌倉新仏教
①念仏 浄土宗、浄土真宗、時宗
②座禅・修養 臨済宗、曹洞宗
③お題目 法華経(日蓮)
京都鴨川べりの洛東で法然、親鸞、栄西」
もう一つ、再掲載となりますが、ひろさちやさんの
「ひろさちやのあきらめ力」①を載せます。
ひろさんの視点は貴重だと思います。
何でもかんでも「目的、目的」。嫌になってしまいます。
<浜松のオリーブ園>
浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト
〈ふじのくに魅力ある個店〉
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
ものづくりのまちとも言われる浜松。
山田卓司さんのすばらしい作品を
ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。
☆「大人のための修学旅行 京都の歴史」武光誠 河出書房新社 2002年 ⑪
◇藤原氏の盛衰を物語る国風文化と呪術信仰(6)
□「鹿ヶ谷の陰謀」の舞台裏[俊寛顕彰碑]
法皇と平氏の対立
治承元年(1177)年5月
法皇が平氏と親しい比叡山の天台座主明雲を伊豆へ流罪にした
∥
※ 平氏と院とは正面から対立することになった
1177年6月
清盛は僧西光(藤原師光)権大納言、藤原成親ら
院の近親を逮捕した [鹿ヶ谷の陰謀]
俊寛は本当に黒幕だったか
源行綱の密告
→ 西光は斬られ、成親は備前に流され殺される
鬼界が島に流罪された 藤原成経、俊寛、平成光
弟子によって伝えられた俊寛の無念
安徳天皇誕生恩赦で成恒、康頼のみ都へ
弟子の有王が諸国行脚 → 後世まで
霊鑑寺
尼門跡寺院
□院政期の栄華を伝える寺院[三十三間堂]
千体の千手観音像
1266年再建
平忠盛の悲願
1164年 清盛により建設 → 後白河上皇に寄進
貴族 殿上人 御所内
地下人 御所の庭のみ
今に続く通し矢の儀式
京都国立博物館
◇庶民の心を捉えて広がる鎌倉新仏教
□武家政権下での成長
文化の担い手は貴族から庶民へ
承久の乱はなぜおこったか
後鳥羽上皇
院庁に西面の武士
院庁の兵力を強化 = 幕府を力で威圧
地方での対立
国衙につく武士
幕府側の守護
上皇が幕府にあれこれ勝手な要求
↓
承久3(1221)年 朝廷と幕府が武力衝突
朝廷を支配下に置いた幕府
鎌倉幕府は京都に六波羅探題
朝廷の監視
京都内外の警備 皇位継承 - 摂関人事にまで介入
∥
◎朝廷 - 政治の実権を失い儀式と学問の場に
∥
◎天皇が名前だけの君主に
京都を拡大した商工民
六波羅 平氏の本拠地
→ 鎌倉幕府の常駐
↓
◎ 京都の町を東方に拡大させる
法然を初めとする鎌倉新仏教の誕生
鎌倉新仏教
①念仏 浄土宗、浄土真宗、時宗
②座禅・修養 臨済宗、曹洞宗
③お題目 法華経(日蓮)
|
◎京都
法然、親鸞、栄西
鴨川べりの洛東
広まる庶民のための文化
☆「ひろさちやのあきらめ力」ひろさちや 青春出版社 2009年 ①【再掲載 2020.1】
<出版社の案内>
国や世間などに期待するのをあきらめ、自分の好きに生きるほうが幸せ
になれる。ただ、考え方にちょっとしたコツが要る。ありのままの自分
と和解するヒントを考える本。
◇はじめに
□現代日本の社会はまさしく「欲望上の楼閣」
勝ち組連中に洗脳されてきた「世間の役に立つ人こそ偉い」
↓ 「何があっても欲望を失うな」
↓ 「いつも前向きな人こそ素晴らしい」
◎盲目的な信用,期待,欲望を捨てよう
「国や世間に期待せず,無駄な希望を持たず,自分を否定しないである
がままの自分と和解して好きなように生きればいい」
◇狂った世間では,「希望」など持たない方が楽しく生きられます
□国や世間に期待する時代が終わった
「あきらめる」
… ものごとの本質を明らかにする = 明らめる
□日本人は金利のために働いてきた
□オバマのアメリカは既に手遅れ
9.11テロは自作自演?
□カネを借りずに暮らせばいい
収入の範囲内で生活する
「起きて半畳,寝て一畳,天下とっても二合半」
今の日本人は
「借金のために働き,さらに借金を重ねてはまた働く」
□信用できる金融機関ではない
金貸し主義はほとんど沈み掛かった泥舟
□政府に国民を守る気なんてない
1971年 ニクソンショック
① ドルと金の交換停止宣言
② ドルは麻雀の点棒になった
自民党は売国奴 ~ 政府は銀行を守って国民をほったらかし
|
日本は滅びる
「ざまあみろ」と言えばよい
□今こそ「利己主義で生きる」すすめ
□「世の中をよくする」という大嘘
法華経
「三界は安きことなし,なお火宅のごとし」
◇さっさと明らめて「利己的に生きる」のが一番です
□休みたければ休めばいい
言うべきは言う,要求すべきは要求する
□「利己主義」と「自己中」の違い
□人間には生き甲斐なんてない
サマセット・モーム『人間の絆』
「人は生まれ,苦しみ,そして死ぬ」
生き甲斐をもったら,それに縛られ,追い立てられる
|
◎わたしの人生なのだから,わたしの好きなように生きますよ
※ 道徳的な教えは強者には適用されず弱者にだけ適用される
□ 世の中とはいつも人を束縛するもの
ひろさちや
「いつの世でも世の中は人を拘束し,縛り付け,奴隷化していく」
~ 「人生に目的なんてない。人生なんて無意味なものなのだ。」
|
「おれはついでに生きているんだ。生まれてきたついでにね。」
= ついで流の生き方
□仕事を生き甲斐にするな
笑止千万
「何か生き甲斐を持ちなさい。仕事を生き甲斐にしなさい。」
娼婦の生き甲斐とは何だ? 泥棒の生き甲斐とは何だ?
職業なんて汚いもの思うべき。世の中を悪くすることに与っている。
「こんな仕事のために自分の時間も家族との時間もすべて犠牲にして,
一年があっという 間に過ぎていく…。たいした意味なんてないじゃ
ないか,今の仕事。こんなこといつまでやっていて何になる。ばかば
かしい。」
□給料分だけ働けば十分
折り合い 「生活のために仕方なくやっている」
エキスパートになるプロになるということは,良く飼い慣らされた馬になること
自由なアマチュアの代表 - 貴殿
「大人のための修学旅行 京都の歴史」11回目の紹介です。
出版社の案内には、
「日本史の流れをしっかりふまえたうえでもう一度京都を巡ってみたいという願
望をかなえる“読む修学旅行”の本。歴史的舞台となった名所旧跡から、日本
史の実像が浮かびあがる。」
とあります。
今回紹介分より強く印象に残った言葉は…
・「法皇が平氏と親しい比叡山の天台座主明雲を伊豆へ流罪にしたことに
より、平氏と院とは正面から対立することになった」
・「源行綱の密告により明らかになった鹿ヶ谷の陰謀の黒幕は
本当に俊寛だったのか」
・「後鳥羽上皇が幕府にあれこれ勝手な要求により、承久3(1221)年
朝廷と幕府が武力衝突した(承久の乱)」
・「鎌倉新仏教
①念仏 浄土宗、浄土真宗、時宗
②座禅・修養 臨済宗、曹洞宗
③お題目 法華経(日蓮)
京都鴨川べりの洛東で法然、親鸞、栄西」
もう一つ、再掲載となりますが、ひろさちやさんの
「ひろさちやのあきらめ力」①を載せます。
ひろさんの視点は貴重だと思います。
何でもかんでも「目的、目的」。嫌になってしまいます。
<浜松のオリーブ園>
浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト
〈ふじのくに魅力ある個店〉
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
ものづくりのまちとも言われる浜松。
山田卓司さんのすばらしい作品を
ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。
☆「大人のための修学旅行 京都の歴史」武光誠 河出書房新社 2002年 ⑪
◇藤原氏の盛衰を物語る国風文化と呪術信仰(6)
□「鹿ヶ谷の陰謀」の舞台裏[俊寛顕彰碑]
法皇と平氏の対立
治承元年(1177)年5月
法皇が平氏と親しい比叡山の天台座主明雲を伊豆へ流罪にした
∥
※ 平氏と院とは正面から対立することになった
1177年6月
清盛は僧西光(藤原師光)権大納言、藤原成親ら
院の近親を逮捕した [鹿ヶ谷の陰謀]
俊寛は本当に黒幕だったか
源行綱の密告
→ 西光は斬られ、成親は備前に流され殺される
鬼界が島に流罪された 藤原成経、俊寛、平成光
弟子によって伝えられた俊寛の無念
安徳天皇誕生恩赦で成恒、康頼のみ都へ
弟子の有王が諸国行脚 → 後世まで
霊鑑寺
尼門跡寺院
□院政期の栄華を伝える寺院[三十三間堂]
千体の千手観音像
1266年再建
平忠盛の悲願
1164年 清盛により建設 → 後白河上皇に寄進
貴族 殿上人 御所内
地下人 御所の庭のみ
今に続く通し矢の儀式
京都国立博物館
◇庶民の心を捉えて広がる鎌倉新仏教
□武家政権下での成長
文化の担い手は貴族から庶民へ
承久の乱はなぜおこったか
後鳥羽上皇
院庁に西面の武士
院庁の兵力を強化 = 幕府を力で威圧
地方での対立
国衙につく武士
幕府側の守護
上皇が幕府にあれこれ勝手な要求
↓
承久3(1221)年 朝廷と幕府が武力衝突
朝廷を支配下に置いた幕府
鎌倉幕府は京都に六波羅探題
朝廷の監視
京都内外の警備 皇位継承 - 摂関人事にまで介入
∥
◎朝廷 - 政治の実権を失い儀式と学問の場に
∥
◎天皇が名前だけの君主に
京都を拡大した商工民
六波羅 平氏の本拠地
→ 鎌倉幕府の常駐
↓
◎ 京都の町を東方に拡大させる
法然を初めとする鎌倉新仏教の誕生
鎌倉新仏教
①念仏 浄土宗、浄土真宗、時宗
②座禅・修養 臨済宗、曹洞宗
③お題目 法華経(日蓮)
|
◎京都
法然、親鸞、栄西
鴨川べりの洛東
広まる庶民のための文化
☆「ひろさちやのあきらめ力」ひろさちや 青春出版社 2009年 ①【再掲載 2020.1】
<出版社の案内>
国や世間などに期待するのをあきらめ、自分の好きに生きるほうが幸せ
になれる。ただ、考え方にちょっとしたコツが要る。ありのままの自分
と和解するヒントを考える本。
◇はじめに
□現代日本の社会はまさしく「欲望上の楼閣」
勝ち組連中に洗脳されてきた「世間の役に立つ人こそ偉い」
↓ 「何があっても欲望を失うな」
↓ 「いつも前向きな人こそ素晴らしい」
◎盲目的な信用,期待,欲望を捨てよう
「国や世間に期待せず,無駄な希望を持たず,自分を否定しないである
がままの自分と和解して好きなように生きればいい」
◇狂った世間では,「希望」など持たない方が楽しく生きられます
□国や世間に期待する時代が終わった
「あきらめる」
… ものごとの本質を明らかにする = 明らめる
□日本人は金利のために働いてきた
□オバマのアメリカは既に手遅れ
9.11テロは自作自演?
□カネを借りずに暮らせばいい
収入の範囲内で生活する
「起きて半畳,寝て一畳,天下とっても二合半」
今の日本人は
「借金のために働き,さらに借金を重ねてはまた働く」
□信用できる金融機関ではない
金貸し主義はほとんど沈み掛かった泥舟
□政府に国民を守る気なんてない
1971年 ニクソンショック
① ドルと金の交換停止宣言
② ドルは麻雀の点棒になった
自民党は売国奴 ~ 政府は銀行を守って国民をほったらかし
|
日本は滅びる
「ざまあみろ」と言えばよい
□今こそ「利己主義で生きる」すすめ
□「世の中をよくする」という大嘘
法華経
「三界は安きことなし,なお火宅のごとし」
◇さっさと明らめて「利己的に生きる」のが一番です
□休みたければ休めばいい
言うべきは言う,要求すべきは要求する
□「利己主義」と「自己中」の違い
□人間には生き甲斐なんてない
サマセット・モーム『人間の絆』
「人は生まれ,苦しみ,そして死ぬ」
生き甲斐をもったら,それに縛られ,追い立てられる
|
◎わたしの人生なのだから,わたしの好きなように生きますよ
※ 道徳的な教えは強者には適用されず弱者にだけ適用される
□ 世の中とはいつも人を束縛するもの
ひろさちや
「いつの世でも世の中は人を拘束し,縛り付け,奴隷化していく」
~ 「人生に目的なんてない。人生なんて無意味なものなのだ。」
|
「おれはついでに生きているんだ。生まれてきたついでにね。」
= ついで流の生き方
□仕事を生き甲斐にするな
笑止千万
「何か生き甲斐を持ちなさい。仕事を生き甲斐にしなさい。」
娼婦の生き甲斐とは何だ? 泥棒の生き甲斐とは何だ?
職業なんて汚いもの思うべき。世の中を悪くすることに与っている。
「こんな仕事のために自分の時間も家族との時間もすべて犠牲にして,
一年があっという 間に過ぎていく…。たいした意味なんてないじゃ
ないか,今の仕事。こんなこといつまでやっていて何になる。ばかば
かしい。」
□給料分だけ働けば十分
折り合い 「生活のために仕方なくやっている」
エキスパートになるプロになるということは,良く飼い慣らされた馬になること
自由なアマチュアの代表 - 貴殿
「日本国民を作った教育」沖田行司 ミネルヴァ書房 2017年 /「加藤秀俊著作集3」中央公論社 1981年 ②【再掲載 2017.2】 [読書記録 教育]
今回は、沖田行司さんの
「日本国民を作った教育」を紹介します。
大変大雑把で部分的な要約ですが、
印象に残っている本です。
出版社の案内には、
「荒廃が叫ばれる日本の教育、その新たなすがたを見出すため、いまふり
かえるこの国の学びの歴史。
寺子屋・藩校・私塾といった江戸時代の学びの場に蓄積された教育遺産
とは何か。
明治維新ののちはじまった『国民教育』とともに、日本は何を手にいれ、
何を失ったのか。
そして敗戦後、占領下の教育政策をへて、いかにして現代の日本人が誕
生したのか。
学びのかたちの変遷に現代へのヒントをさぐる、温故知新の教育読本。」
とあります。
今回紹介分より強く印象に残った言葉は‥
・「教育が立身出世主義と結びつく度合いは、封建的な身分制社会が
濃厚であった国ほど熾烈である。」
・「かくして、学問・教育のみならず、経済文化に至るまで、国家に
よってオーソライズされたものに価値を見出すという思考パター
ンが国民の間に広く浸透していくのである。」
・「国民教育のはじまりは京都町人の番組小学校」
・「山県有の言葉、『軍人勅語のようなものが教育にも必要』から生
まれたのが『教育ニ関スル勅語』」
もう一つ、再掲載となりますが、
「加藤秀俊著作集3」を載せます。
今回紹介した2冊ですが、
どこかでつながっているような印象をもちました。
<浜松のオリーブ園>
浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト
〈ふじのくに魅力ある個店〉
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
ものづくりのまちとも言われる浜松。
山田卓司さんのすばらしい作品を
ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。
☆「日本国民を作った教育」沖田行司 ミネルヴァ書房 2017年
◇現代の教育を考える
□戦後教育とは何であったか
立身出世と教育 - 教育に熾烈な競争の原理
◎ 教育が立身出世主義と結びつく度合いは、封建的な身分制社会が
濃厚であった国ほど熾烈である。
教育に熾烈な競争原理が導入されることになった日本の近代教育
を一貫して支配してきたのは、この競争の原理である。
こうした国家主導型の教育システムにおいて、立身出世とは個人
と国家との距離を縮めていくことを意味したのである。
かくして、学問・教育のみならず、経済文化に至るまで、国家に
よってオーソライズされたものに価値を見出すという思考パターン
が国民の間に広く浸透していくのである。
□江戸の「学びの形」 常識の力と教育
□横井小楠(1809~1869)
肥後熊本藩 ~ 時習館で学んだ
□学びの共同体
- 私塾
□江戸の教育論
◇日本人の近代教育の変容
□ 国民教育のはじまり
京都町人の番組小学校
立身出世主義と国民教育
□「教育勅語」をどう見るか
1890(明治23)「教育ニ関スル勅語」
= 山県有朋 1882「軍人勅語」のようなものが教育にも必要
◇沖田行司(おきたいくじ)
同志社大学社会学部教育文化学科教授 博士
1979 同志社大学大学院文学研究家博士後期課程修了
1989~1996 ハワイ大学日本研究科客員教授
2004~2013 中国人民大学客座教授
☆「加藤秀俊著作集3」中央公論社 1981年 ②【再掲載 2017.2】
◇世相史研究序説
□文字にならない歴史
記憶の保存
口承の伝承 → 文字の伝承
「歴史」 = 記憶に対する恐るべき執念の集積
↑
◎偏りがある - 社会の頂点に立つことのできた限られた人々
∥
◎ 数十億の人間の殆どすべては,誰にも知られないまま,不快沈殿層
をつくっている。その上に文字になった記録が薄い上澄み部分をつく
ってのっかっている。
◎「歴史学」は上澄みをよりどころにして成立した学問
∥
エリートの思想と行動の軌跡
|
※ しかし,それだけを歴史と考えるのは間違いではないか?
∥
◎ 上澄みは上澄みで結構。しかし,少なくともそれと並んで熱い沈殿
層にも目を向けなければならない
□正史と稗史
◎歴史学 …①社会の頂点に立つ人々=上澄みをよりどころにした学問
②政治性
③正史 政治史を以てその主流とすべき
◎民俗学 …① 沈殿した記憶の歴史に照明
② 常民が主人公 ~ 世相史
◎「正史家」
物事を因果の網の目で説明する
|
網の目に乗らないものは偶発的・例外的
切り落とす = 植木屋の職人のごとき
◎稗史
因果律にも法則的にも別段興味を持たない = 自然観察家
行き当たりばったり 事実の寄せ集め
∥
◎世相史
ぼさぼさした個別的事実の集合体
小さな経験とその産物
□市井のジャーナリズム
常民の変化
~ 自らの手で記録が可能に
新聞の誕生 ~ 日録(ジャーナル)
① 市井の記録家
江戸期
西沢一鳳,喜多村信節,神沢卓幹,浜松歌国 - 随筆
菅江真澄,橘南渓 -旅行家
鈴木牧之 -雪国博物誌
場期末・明治 服部誠一,菊池貴一郎,宮武外骨,石井研堂
② 常民の成長が早かった
江戸・大阪・京都 寺子屋-普通教育
武官優位
→ 文官優位
→ 浮浪・有閑知識人 = 自由なインテリ
③ 日本人の大多数は世俗的-即物的関心
18世紀 ~ 今世紀
◎稗史材料は優れている(他国に比べて)
= 世相史は日本史しかつくれない
□世相史の確立に向かって
歴史学徒としての世相史学,世相史方法論の確立
~ 記録保全
民具,常民の記録
「日本国民を作った教育」を紹介します。
大変大雑把で部分的な要約ですが、
印象に残っている本です。
出版社の案内には、
「荒廃が叫ばれる日本の教育、その新たなすがたを見出すため、いまふり
かえるこの国の学びの歴史。
寺子屋・藩校・私塾といった江戸時代の学びの場に蓄積された教育遺産
とは何か。
明治維新ののちはじまった『国民教育』とともに、日本は何を手にいれ、
何を失ったのか。
そして敗戦後、占領下の教育政策をへて、いかにして現代の日本人が誕
生したのか。
学びのかたちの変遷に現代へのヒントをさぐる、温故知新の教育読本。」
とあります。
今回紹介分より強く印象に残った言葉は‥
・「教育が立身出世主義と結びつく度合いは、封建的な身分制社会が
濃厚であった国ほど熾烈である。」
・「かくして、学問・教育のみならず、経済文化に至るまで、国家に
よってオーソライズされたものに価値を見出すという思考パター
ンが国民の間に広く浸透していくのである。」
・「国民教育のはじまりは京都町人の番組小学校」
・「山県有の言葉、『軍人勅語のようなものが教育にも必要』から生
まれたのが『教育ニ関スル勅語』」
もう一つ、再掲載となりますが、
「加藤秀俊著作集3」を載せます。
今回紹介した2冊ですが、
どこかでつながっているような印象をもちました。
<浜松のオリーブ園>
浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト
〈ふじのくに魅力ある個店〉
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
ものづくりのまちとも言われる浜松。
山田卓司さんのすばらしい作品を
ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。
☆「日本国民を作った教育」沖田行司 ミネルヴァ書房 2017年
◇現代の教育を考える
□戦後教育とは何であったか
立身出世と教育 - 教育に熾烈な競争の原理
◎ 教育が立身出世主義と結びつく度合いは、封建的な身分制社会が
濃厚であった国ほど熾烈である。
教育に熾烈な競争原理が導入されることになった日本の近代教育
を一貫して支配してきたのは、この競争の原理である。
こうした国家主導型の教育システムにおいて、立身出世とは個人
と国家との距離を縮めていくことを意味したのである。
かくして、学問・教育のみならず、経済文化に至るまで、国家に
よってオーソライズされたものに価値を見出すという思考パターン
が国民の間に広く浸透していくのである。
□江戸の「学びの形」 常識の力と教育
□横井小楠(1809~1869)
肥後熊本藩 ~ 時習館で学んだ
□学びの共同体
- 私塾
□江戸の教育論
◇日本人の近代教育の変容
□ 国民教育のはじまり
京都町人の番組小学校
立身出世主義と国民教育
□「教育勅語」をどう見るか
1890(明治23)「教育ニ関スル勅語」
= 山県有朋 1882「軍人勅語」のようなものが教育にも必要
◇沖田行司(おきたいくじ)
同志社大学社会学部教育文化学科教授 博士
1979 同志社大学大学院文学研究家博士後期課程修了
1989~1996 ハワイ大学日本研究科客員教授
2004~2013 中国人民大学客座教授
☆「加藤秀俊著作集3」中央公論社 1981年 ②【再掲載 2017.2】
◇世相史研究序説
□文字にならない歴史
記憶の保存
口承の伝承 → 文字の伝承
「歴史」 = 記憶に対する恐るべき執念の集積
↑
◎偏りがある - 社会の頂点に立つことのできた限られた人々
∥
◎ 数十億の人間の殆どすべては,誰にも知られないまま,不快沈殿層
をつくっている。その上に文字になった記録が薄い上澄み部分をつく
ってのっかっている。
◎「歴史学」は上澄みをよりどころにして成立した学問
∥
エリートの思想と行動の軌跡
|
※ しかし,それだけを歴史と考えるのは間違いではないか?
∥
◎ 上澄みは上澄みで結構。しかし,少なくともそれと並んで熱い沈殿
層にも目を向けなければならない
□正史と稗史
◎歴史学 …①社会の頂点に立つ人々=上澄みをよりどころにした学問
②政治性
③正史 政治史を以てその主流とすべき
◎民俗学 …① 沈殿した記憶の歴史に照明
② 常民が主人公 ~ 世相史
◎「正史家」
物事を因果の網の目で説明する
|
網の目に乗らないものは偶発的・例外的
切り落とす = 植木屋の職人のごとき
◎稗史
因果律にも法則的にも別段興味を持たない = 自然観察家
行き当たりばったり 事実の寄せ集め
∥
◎世相史
ぼさぼさした個別的事実の集合体
小さな経験とその産物
□市井のジャーナリズム
常民の変化
~ 自らの手で記録が可能に
新聞の誕生 ~ 日録(ジャーナル)
① 市井の記録家
江戸期
西沢一鳳,喜多村信節,神沢卓幹,浜松歌国 - 随筆
菅江真澄,橘南渓 -旅行家
鈴木牧之 -雪国博物誌
場期末・明治 服部誠一,菊池貴一郎,宮武外骨,石井研堂
② 常民の成長が早かった
江戸・大阪・京都 寺子屋-普通教育
武官優位
→ 文官優位
→ 浮浪・有閑知識人 = 自由なインテリ
③ 日本人の大多数は世俗的-即物的関心
18世紀 ~ 今世紀
◎稗史材料は優れている(他国に比べて)
= 世相史は日本史しかつくれない
□世相史の確立に向かって
歴史学徒としての世相史学,世相史方法論の確立
~ 記録保全
民具,常民の記録