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「悲しみの精神史」山折哲雄 PHP研究所 2002年 ③(最終) /「だれでもできるブックトーク」村上淳子 国土社 2008年 前半【再掲載 2018.6】 [読書記録 一般]

今回は、7月2日に続いて、山折哲雄さんの
「悲しみの精神史」の紹介3回目 最終です。



出版社の紹介には


「国際日本文化研究センター所長にして宗教学の権威でもある著者は問う。
『幸福と成功を追い求めるだけが人生なのか』と。むしろ著者は『不幸な悲
 しみに耐えている人間に尊敬を抱く』とも。その問題意識のもと、自らの死
 を予感していた源実朝、親族を皆殺しにした北条時頼、乞食願望を持ち続け
 た松尾芭蕉、キリスト教に入信した支倉常長、死んだ妹の魂を追いかけて旅
 した宮沢賢治、殉死の予行演習をしていた乃木希典、晩年の著作に執着した
 松本清張、死後も自分の欲望を満たそうとした谷崎潤一郎、『黒い雨』に慟
 哭の通奏低音を挿入した井伏鱒二、上官の罪を背負って処刑された青年学徒
 などを取り上げつつ、縄文の昔から日本人の底流に流れ続ける『悲しみ』の
 旋律を描いた渾身の作品。幸福願望ばかりが肥大化する現代において、『孤
 独とは何か』『人生の無常とは何か』を考えるうえで大切な視点を提示して
 くれる一冊でもある。」

 
とあります。




本日紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「『弟子を持つの不幸』」


・「漱石夫人に殺意はあったか-ヴェロナールを漱石に知られぬように盛る」


・「浄土真宗 葬式の最後に『白骨の御文』」

「『黒い雨』は単純な盗作ではなく、井伏が民族的な悲劇の絶望的な調べをう
たいあげようとしたもの。作中には民族の祈りが歴史を越えて作品全篇に
こだましている。」




もう一つ、再掲載になりますが、村上淳子さんの
「だれでもできるブックトーク」前半を載せます。



<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。




☆「悲しみの精神史」山折哲雄 PHP研究所 2002年 ③(最終)

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◇「葉隠」に重なる仏法の精神
「隠し奉公」説より西行の「葉がくれ」説にひかれる
山本常明 「葉隠」

   西行を腰抜け呼ばわりする理由 
     葉隠 
     - 隠し奉公

   出家道と武士道の接点



◇石川啄木の慟哭
「空に吸われし十五の心」と「心は身にそはずなりにき」

「ローマ字日記」の矛盾に満ちた魅力



◇内村鑑三と志賀直哉
「小説の神さま」は無神論者だった

「気まずい気分」

 師の耐え難き悲嘆を受け止めた弟子 
    「弟子を持つの不幸」



◇叙情する乃木希典
 三文小説を読みふけっていたクトゥーゾフ将軍

   すでに殉死の予行演習をしていた



◇漱石の晩年 江藤淳の晩年
  全身を押し包んでいた
    「死の時間」

   漱石夫人に殺意はあったか
     ヴェロナールを漱石に知られぬように盛る

   江藤淳の背後にも運命の殺意が忍び寄っていた



◇鴎外の「両像」に迫った松本清張
  未完の小説「神々の乱心」の素材は「天理研究会」



◇黒い雨と白骨の御文
  蓮如が書いた現代への重要な遺産 
     書簡形式の伝道文書「白骨の御文」
 
  「我やさき,人やさき,けふともしらず,あすともしらず」
広島-安芸門徒 
     葬式に①「三帰戒」「開経偈」「讃仏偈」
         ②その後「阿弥陀経」
         ③最後に「白骨の御文」焼香

黒い雨に降り続ける「白骨の御文」
  
  「重松日記」に「白骨の御文」はなかった
モデル・重松静馬氏
井伏-「小説でなくドキュメントである」
         人間に対する共感能力の欠如

  「重松日記」
    - 禅宗
 あまりにも乾いた文体

「黒い雨」は単純な盗作ではない
     井伏
      … 民族的な悲劇の絶望的な調べをうたいあげようとした
        民族の祈りが歴史を越えて作品全篇にこだましている 



◇谷崎潤一郎の墓
   石に彫られた「空」と「寂」の文字
  鹿ヶ谷の法然院 
       承元の法難(1207年)
    法然が讃岐に流され,弟子の安楽と住蓮が後鳥羽上皇の
         女房たちとの密通を疑われて六畳河原で斬刑に処された

  「中身なし」の手紙が腑に落ちない
「谷崎潤一郎=渡部千萬子・往復書簡」中央公論社


◇東京だよ,おっ母さん
「ここがここが二重橋」

  靖国神社や日本武道館に潜む地霊 
     二重橋,九段,浅草
      ~ 共通の霊場

   国民信仰の基盤がすっかり揺らいでしまった
  国民的規模における出開帳の巡礼コース  
      - 二重橋,九段坂,浅草



◇敗北を抱きしめた日本人
「きけわだつみの声」の中の忘れがたい一首
1998年 自殺者が3万人超 自殺の多様化
わだつみ
      - 短歌的叙情により死の淵を乗り越えようとした(唐木順三)
   木村久夫の歌

   母こそ心の安住とする究極の避難所か
  上官の罪を背負い処刑された陸軍上等兵・木村久夫
1920~23年生まれの若者 
       - 苛酷な死 「決死の世代」
死のコンボイ(道連れ)

   青年学徒の苦悩の深みを汲み尽くすことはできない
  1999年 ジョン・ダワー「敗北を抱きしめて」岩波書店


※「Voice」2000年1月号~2001年9月号









☆「だれでもできるブックトーク」村上淳子 国土社 2008年 前半【再掲載 2018.6】

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◇読書を楽しむ子どもを育てるために

□ブックトーク 
 ① あるテーマを決めて   
 ② そのテーマに沿った本を何冊か選び
 ③ その本につながりを持たせて順次紹介していく


□方法 
 1 テーマを決める
 2 テーマに対する思いを書く
 3 本を探す 5~10冊
 4 選んだ本を読み返す メモ+付箋
 5 紹介シナリオを書く
 6 本番   演じる
 7 本を手に取らせる
 8 記録を残す



◇テーマ1 「昔々あったとさ」-低
 「桃太郎」

 「浦島太郎」  

 「三年寝太郎」

 「力太郎」

 「悉平太郎」

 「はちかつきひめ」

 「ごめんぶく おわんぶく」



◇テーマ2 「おじいさん おばあさん」-低
 「おばあちゃんがいったのよ」 j.ベイトン・ウォルシュ

 「おじいちゃん だいすき」  ロブ・ルイス

 「おじいちゃんの口笛」    ウルフ・スタグレフ

 「ももたろう」 世界文化社 2005

 「したきりすずめ」      世界文化社 2005

 「花咲じじい」 世界文化社 2005

 「リベックじいさんのなしの木」P.フォンクーネ

 「おばあちゃんをすてちゃいやだ」



◇テーマ3 「おかあちゃんってかわいいね」 - 低 
 「こいぬがうまれるよ」

 「あやちゃんのうまれた日」浜田桂子

 「ぼく,おにいちゃんになったんだ」 

 「タテゴトアザラシのおやこ」

 「ダンゴムシ」今森光彦       

 「たねいっぱいわらったね」



◇テーマ4 「なんのたねかな」 - 低
 「たねのずかん」  

 「どんぐりノート」

 「ラッカセイの絵本」

 「かならずできる手品」

 「平和の種をまく」

 「ずーっとだいすきだ」



◇テーマ5 「ヒーローを目指そう」- 低
 「クジラのハンフリー」        

 「おとしぶみ ゆりかごを作る小さな虫」  

 「はじめてのかり」

 「1ねん1くみ1ばんワル」
  
 「おとうさんはウルトラマン」



◇テーマ6 「しっぱいしてもいいんだよ」 - 低  
 「ぼちぼちいこか」 マイク・セイラー 

 「がまんだがまんだうんちっち」

 「びゅんびゅんごまが回ったら」宮川ひろ

 「手袋を買いに」



◇テーマ7 「いろいろな花」 - 低
 「フレデリック」 レオ・レオニ    

 「あおくんちきいろちゃん」

 「はらぺこあおむし」 エリック・カール

 「ももいろのきりん」中川梨枝子

 「ぞうのエルマー」



◇テーマ8 「虫のふしぎ」- 低
 「おとしぶみ」 岡島秀次       

 「だれだかわかるかい」

 「変身」 栗林恵

 「むしのうんこ」 エリック・カール

 「むしたちのうんどうかい」

 「なきむし」



◇テーマ9 「こまったらどうしよう」- 低
「たねのずかん」 

 「しっぽのはたらき」 

 「虫のひげ」

 「トマトのひみつ」山口進       

 「三枚のおふだ」水沢謙一

 「ことばあそびうた」谷川俊太郎



◇テーマ10 「わくわくどきどきこわいもの」- 中
 「こわいドン」武田美穂  

 「ばけものづかい」川端誠 

 「ふるやのもり」今江祥智

 「風信器」大石真  

 「耳なし芳一」小学館2006  

 「アラジンと魔法のランプ」ほるぷ

 「丘の上の人殺しの家」別役実



◇テーマ11 「はははは歯」- 中
 「わにさんどきっ はいしゃさんどきっ」

 「口を大きく開けて歯の学校はこちらです」 

 「虫歯のもんだい」北川原健     

 「歯医者のチュー先生」
  
 「せかいのこどもたちのはなし はがぬけたらどうするの」



◇テーマ12 「さあ出発」- 中
 「エルマーのぼうけん」       

 「ロビンソンクルーソー」 

 「二分間の休暇」岡田淳



◇テーマ13 「生まれる」- 中
 「むしのあかちゃん」伊丹市昆虫館  

 「こいふがうまれる」J.コール
  
 「赤ちゃんのはなし」マリー・ホールエッツ   

 「あかちゃんてね」星川ころこ・治雄     

 「おかあさんがおかあさんになった日」星野ヒデ子  

 「おとうさんがおとうさんになった日」星野ヒデ子
  
 「きこえてくるよ いのちのおと…」ひろかわさえこ

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